フォルクスワーゲンの会長を務めたフェルディナント・ピエヒ氏が辞任したことにより、同社グループのブランドがF1に参入する可能性が高まるとの推測が生じているなか、アウディのスポークスマンが、現時点ではF1参戦の予定はないと発言した。

 25日、長くフォルクスワーゲンを率いたピエヒ氏が辞任したと同社が発表した。社内の権力闘争に敗れた結果であると広く報じられている。

 これまでアウディ、ポルシェなどのF1参戦のうわさは何度も報じられてきた。しかしピエヒ氏とF1の商業面のボス、バーニー・エクレストンには確執があり、それがフォルクスワーゲン・グループのF1参戦を妨げる理由のひとつであると考えられていた。
 しかし幹部体制が変わることに伴い、モータースポーツプログラムに変更が加えられる可能性があると推測される。

 フォルクスワーゲン・グループは傘下にアウディ、ポルシェ、ベントレー、ランボルギーニ、シュコダ、セアトなどのブランドを擁し、WEC、WRC、GT、F3、ラリークロスなどに参戦している。

 BBC Sportは28日、アウディのスポークスマンがF1参戦への動きを否定する発言を行ったと報じた。
「現時点でアウディにはF1に参戦する意向は全くない」とスポークスマンはBBC Sportに対してコメントしたという。
 彼によると、アウディのモータースポーツファクトリーには、現在参戦しているWECやDTMなど以外を受け入れる余裕はないということだ。

 一方で、アウディの取締役会会長ルパート・シュタートラーはF1参戦を強く望んでおり、上層部経営陣もそれを支持しているといわれている。

 レッドブル・レーシングを買収して参戦する計画があり両者の間で合意がなされたという報道もあったが、今年1月にそのプランの提出を受けたピエヒ氏が反対したとBBCは伝えている。
 2月にこの件について聞かれたレッドブルのチームプリンシパル、クリスチャン・ホーナーは「見当違いな報道」として完全に否定している。

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