メルセデスは、F1エンジン凍結規則変更に関して譲歩し、2015年1回のみについて同意することを検討しているようだ。

 シーズン中のエンジン開発を厳しく制限する規則を緩和するよう、ルノーとフェラーリは求めているが、これにメルセデスは反対の意を表していた。

 しかしアメリカGPの週末に行われた会合で、メルセデスに対して新たな提案がなされた。これは2015年7月に1回のみ小さなモディファイを認めるという内容だったと考えられている。

 予算上昇を理由に反対してきたメルセデスだが、コストが大幅に上がらないのであれば2015年に関して妥協案を受け入れる可能性があるようだ。

 今週末のブラジルでの会合を前に、メルセデスはこの提案について詳細に検討している。
 メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフは次のように語った。

「毎年規則を変えないと長期的に合意し、長期的安定を保証するための妥協案であるなら、検討してみる」
「財政的、ロジスティクス的にどういう影響があるのかを評価している」
「我々は8台のマシンにパワーユニットを提供しなければならない。一方ホンダは2台、フェラーリとルノーは4台だ。これは大きな差になる」

 今季導入されたターボV6に関して、コストの上昇を防ぐためにエンジン凍結の規則が定められた。2014年2月28日にFIAに対してパワーユニットのデザインが提出された後は、シーズン中、信頼性、安全性、コスト節約に関する理由でない限り、変更は認められない。

 毎年シーズンオフには規則で定められた“トークンシステム”に従って一部のモディファイは認められるものの、年々制限は厳しくなっていく。
 パワーユニットの全コンポーネントに対して合計66の“トークン”が割り当てられており、各シーズン前に使用できる“トークン”数、つまり改良が許される範囲が決められている。その数は年々減らされ、2019年、2020年には改良できる余地はわずか5パーセント程度になる。

 凍結緩和の提案は、無制限の開発を求めるものではなく、エンジンマニュファクチャラーに対して今よりわずかに開発の自由を与えるものだ。

 新提案は、この冬の間に許された“トークン”をすべて使わなかった場合には、7月にトークンを使用して改良したエンジンを導入することを可能にするといったものになっている。

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