レッドブルの創業者であるディートリッヒ・マテシッツは、メルセデスとフェラーリがサーキット内外で権力を持つ現状は、F1にとって有害であると考えている。

 2社はエンジンサプライヤーのトップとして君臨、リザルトの上位を占めており、カスタマーへのパワーユニット供給にまつわる問題は長い間、懸念材料となっている。レッドブル・レーシングの2016年用パワーユニットについて、マテシッツはルノーから最新スペックのメルセデス製かフェラーリ製への切り替えを試み、最終的には姉妹チームのトロロッソが2015年最終仕様のフェラーリ製パワーユニット獲得に成功している。

「間違いなくバーニー(エクレストン)の考えが正しい。我々は振り回されているんだ。メルセデスとフェラーリが持っている権力はF1にとって良いものではない」とマテシッツは主張する。

 レッドブルはエクレストンとFIA代表のジャン・トッドが推薦するインディペンデント・エンジン案に賛同している。しかしメルセデス、フェラーリ、ルノー、ホンダ間でパワーユニット供給の義務やコストに関する議論に進展が見られたため、同案は今年1月から保留状態となっている。

 マテシッツが所有するチームの供給契約は、どちらも2016年シーズン末に終了する。そのためマテシッツは「パワーユニット供給問題がレッドブルF1撤退につながる」との姿勢を、再び明確にした。

「現状では、すべてがオープンだ。ここからの5年間を、5位争いに費やすつもりは毛頭ない。2016年以降に競争力のあるパワーユニットを手にすることができなければ、将来を考えなおすことになる。F1はツール・ド・フランスではないのだし、脇役に甘んじようとは思わない」

 今季はルノー製パワーユニットの出来がレッドブルの成績を左右することになるだろう。マテシッツはエイドリアン・ニューウェイと新車RB12のシャシーについて高く評価している。

「パワートレインは基本的に昨年と同じものだが、ルノーは新しい責任者らとともに攻めの姿勢を見せていると感じた。情熱があり、プロフェッショナルな態度で成功を追い求めている。新車RB12は、我々がこれまでに送り出したマシンの中でも最高の出来となっており、エイドリアン・ニューウェイと彼のチームが作り出した最高傑作だ」

「我々の目標は、ふたつのファクトリーチームに次ぐランキング3位だ。彼ら(ルノー)のエンジンで、カスタマーたちを打ち負かす」

 マテシッツの言う「ふたつのファクトリーチーム」とは、メルセデスとフェラーリ。パワーユニット供給元であり、フルワークス体制となったルノーは現在のところ勘定に入っていないようだ。

 マテシッツはトロロッソもランキングで上位に入ることを期待している。

「彼らも素晴らしいマシンを手に入れた。今季はパワーユニットのアップグレードが見込めないが、コンストラクターズ・ランキングで4位から6位を狙えるはずだ」

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