現地時間11月1日に行われた2026年F1第19戦メキシコシティGPの決勝レースで、平川亮(TGRハースF1チーム)は暫定13位でチェッカーを受けた。

 TGRハースF1チームのリザーブドライバーとして今季もチームに帯同し、メキシコシティGPでは金曜日のフリー走行1回目に出走した平川。そんななか、土曜日に突如としてエステバン・オコンの代わりにメキシコシティGPのFP3、予選、そして決勝に出場することを告げられ、慌ただしいなかではあるが念願のF1初参戦が実現することになった。

 初めての予選を19番手で終え、他車がグリッド降格となった影響で18番グリッドから決勝のスタートを迎えた平川は、赤旗中断やセーフティカー(SC)も入る荒れ模様のなか、コース上でウイリアムズ勢2台をオーバーテイクするなどの快走を見せ、暫定13位でチェッカーを受けた。

 決勝後、平川の活動を支えてきたトヨタ自動車の豊田章男代表取締役会長がコメントを発表した。以下にその全文を掲載する。

※追記:その後、平川は正式結果で10位に繰り上がった。下記のコメント全文は、10位繰り上がり発表前にリリース発信されたものである。

* * * * * * *

平川、F1デビューおめでとう!

そして、本当にありがとう。

2009年、トヨタがF1から撤退して以来、私の胸の中には、ずっと忘れられない思いがありました。

ドライバーなら誰もが、一度は世界一速いクルマで走ってみたいと思うはずです。そんなドライバーたちの夢を、なんとか叶えてあげたい。もう一度、トヨタのドライバーをF1のレースに出してあげたい。

それは、私自身がずっと胸の中に持ち続けてきた夢でもありました。

ハースとのパートナーシップが始まり、テストやFP1など、少しずつF1に挑戦できる場をつくってきました。

そして、2009年から17年。
ついに、トヨタのドライバーがF1のレースを走る日が来ました。

そのドライバーが平川亮だったことを、本当にうれしく思います。

少し前に平川と会ったとき、来年のレギュラーシート争いが厳しい結果になった後でした。

そのとき平川は、決して諦めないと私に誓ってくれました。

F1ドライバーの世界は、どんどん若年化しています。そんな中で、ここまで平川にずいぶん苦労をさせてしまったことを、私は申し訳なく思っていました。

だから、「迷ったら、自分が楽しいと思う方、やりたいと思う方を選べ」と伝えました。

それでも平川は、いつ来るかもわからないチャンスを信じて、いつ声がかかっても最高のパフォーマンスを発揮できるよう、ベストコンディションでいるための準備を続けてくれました。

報われる保証もない中で、諦めずに準備を続けてくれた平川。

だからこそ、今回のF1デビューがうれしくてたまりません。

金曜日のFP1を走り終えた翌朝、急遽、土曜日のFP3と予選、そして日曜日の決勝にも出場することになりました。

限られた準備時間の中、予選ではQ1突破を狙える速さを見せ、決勝でも最後まで果敢に走ってくれました。

結果だけを見れば、満足できるものではなかったかもしれません。でも、世界最高峰の舞台で堂々と走る平川の姿は、本当に誇らしかった。

平川がF1のグリッドに並ぶ姿を見たとき、私自身の夢も一つ叶えてもらったような気持ちになりました。

平川、私の夢も叶えてくれてありがとう。

そして、ジーンさん、小松さん、TGR HAAS F1 TEAMのエンジニア、メカニック、スタッフの皆さん。

皆さんが平川を信じ、支え、この舞台を用意してくれたからこそ、今日があります。一人のドライバーがF1のレースを走るまでには、本当にたくさんの仲間の力が必要です。皆さん一人ひとりに、心から感謝しています。本当にありがとうございます。

また、平川を支えてこられたご家族の皆さま、諦めずに応援し続けてくださったファンの皆さま、関係者の皆さまにも、心から感謝申し上げます。

平川の走りは、たくさんの子どもたちに夢と憧れを届けてくれました。

平川は、耐久レースではすでに世界の頂点に立ったドライバーです。

次はフォーミュラでも、まずはポイントを獲ること。そして、表彰台に上がること。

その一歩一歩を、私たちもファンの皆さんと一緒に応援していきたいと思います。

そして、いつか日本人ドライバーがF1の表彰台の一番高いところに立つ日を見てみたい。

次のチャンスがいつ来るのかは、誰にもわかりません。それでも、これまで我慢を重ね、苦労を重ね、チャンスを信じて準備を続けてきた平川なら、またきっと私たちに夢を見せてくれると信じています。

ジーンさん、小松さん、そしてTGR HAAS F1 TEAMの皆さん。

これからも、ドライバーたちが夢に挑戦できる「場」を一緒につくっていきましょう。

クルマづくりも、レースも、一人ではできません。
人と人がつながり、仲間になり、一緒に夢を追いかける。

私は、そんな仲間たちと、これからも走り続けたいと思っています。

平川、感動をありがとう。
私の夢を叶えてくれて、本当にありがとう!

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