2月18日に、いよいよ2014年シーズンの公式合同テストがスタートする全日本選手権スーパーフォーミュラ。昨年の最終戦鈴鹿で奇跡的な逆転タイトルを獲得し、今季ゼッケン1番をつけてシリーズに臨む山本尚貴(TEAM無限)は、気持ちを新たに王座防衛のための一年に挑む。

 昨年のスーパーフォーミュラでは、3戦欠場したアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)とのチャンピオン争いの中で、非常に厳しい状況で臨んだ最終戦の鈴鹿でポールポジションと優勝、3位という成績を出し、見事逆転チャンピオンを獲得した山本。

 今季山本はディフェンディングチャンピオンとして、シャシー、エンジンがすべて変わるスーパーフォーミュラに挑むことになる。そんなシーズンに臨むにあたって山本は「いい意味で去年チャンピオンを獲ったことは忘れたいと思います」と今季に向けた意気込みを語る。

「自分にとっては新しいチャレンジになると思いますし、挑戦者の気持ちをもって今シーズンも戦いたいと思っています。もちろんディフェンディングチャンピオンとして臨むシーズンなので自覚はもっていますが、気持ちは挑戦者です」

「今年からシャシーもエンジンも新しくなったので、まずはホンダ全体の底上げをしていかないといけないと思っています。その舵取りというか、ホンダを引っ張っていくという気持ちも自分の中に大きくありますし、志をもって今シーズンを戦い、もちろん連覇を目指したい」

 シリーズには昨年タイトルを争ったロッテラー、ロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO)の全戦参戦が決定。またビタントニオ・リウッツィ(HP REAL RACING)、ナレイン・カーティケヤン(TEAM IMPUL)、ジェームス・ロシター(KONDO RACING)、ジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)といった強力な外国人ドライバーが揃う。もちろん中嶋一貴(PETRONAS TOM'S)や塚越広大(DOCOMO DANDELION)、小暮卓史(NAKAJIMA RACING)といった優勝経験者も手強いライバルだ。

 特にホンダエンジンユーザーにとっては、リウッツィの加入は大きな話題となっている。長年F1で戦い、スピードは世界中から高く評価されているドライバーだけに、山本にとっても大きな刺激となっているようだ。

「とてもいいことだと思います。今年彼のような経験がある選手がホンダユーザーの中にいて、彼がベンチマークになって彼に勝つことができれば、自分の評価も上がるでしょうね」と山本はリウッツィ加入について語る。

「ただ、彼に勝ったからと言って世界に通用するかと言えば、そうではないとも思っています。僕の気持ちの中では、ホンダドライバーとして世界に行って戦いたい」

 この発言にもあるように、チャンピオン獲得後山本は"世界への挑戦"を頻繁に口にするようになった。2015年からホンダがF1に復帰するが、レーシングドライバーなら誰しもがそうであるように、山本は幼少期からF1を夢見て戦ってきた。日本でチャンピオンを獲得したことにより、F1というステージが具体的に見え始めたのが山本の発言の裏にあるのは間違いない。

 今季は再び日本で戦うことになった山本だが、当然新しいシャシーの初年度で、この世界的なレベルのライバルたちを打ち破ることができれば、"世界"という目標は一気に近づくはずだ。アイルトン・セナに憧れレースを始め、カート時代はセナのカラーリングのヘルメットを被っていた山本。その気持ちを取り戻すべくイエローとグリーンのヘルメットに変えた2013年は、大きなステップアップの年となった。2014年は、世界にイエローとグリーンのヘルメットを印象づける勝負の年と言える。

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