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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2023.10.19 20:00
更新日: 2023.10.26 22:06

ナッサー・アル-アティヤが世界ラリーレイド選手権2連覇。TGRは2年連続となる3冠を達成

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ラリー/WRC | ナッサー・アル-アティヤが世界ラリーレイド選手権2連覇。TGRは2年連続となる3冠を達成

TGRがFIA世界ラリーレイド選手権(W2RC)で2連覇!

 TOYOTA GAZOO Racing(TGR)がGRダカールハイラックスT1+でシリーズ参戦してきた2023年シーズンFIA世界ラリーレイド選手権(W2RC)の今季最終戦となるラリー・モロッコがフィニッシュを迎え、W2RCシーズンが幕を閉じました。TGRのGR ダカールハイラックスT1+を駆るナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメル組はこのラリー・モロッコを総合19位で完走し、アル-アティヤは2023年シーズンのW2RCドライバーズチャンピオンを獲得しました。

 このラリー・モロッコの前戦終了時点で決定した、TGRはマニュファクチャラーズチャンピオンとボーメルのコドライバーズチャンピオンに加えての、アル-アティヤのタイトル獲得により、TGRは今季W2RCにて3冠を達成。また、TGRとアル-アティヤ/ボーメル組は昨年も同シリーズのタイトルを獲得しており、選手権3部門の2連覇を達成しました。

 2023年のラリー・モロッコは5つのステージで戦われました。ラリーはモロッコ南西部の湾岸都市アガディールをスタート。ステージとビバーク地を繋ぐリエゾン(移動区間)も含めた総走行距離が2,240kmに及んだ激戦の後、モロッコ東部内陸のメルズーガでフィニッシュを迎えました。このラリー・モロッコはW2RCにとってキーポイントとなるイベントで、今シーズンの最終戦というだけでなく、多くのチームにとって来年1月にサウジアラビアで行われるダカールラリーへ向けた、最新仕様の車両で実戦を戦える貴重な機会でもありました。

 TGRにとっても、このイベントは改良されたGRダカールハイラックスT1+をテストする重要な機会であり、アル-アティヤにとっては、2度目のW2RCドライバーズチャンピオンを獲得するためのイベントでもありました。W2RCのコドライバー、及びマニュファクチャラーのタイトルは、最終戦を待たずしてTGRとボーメルが獲得していました。
ラリー・モロッコの結果としては、プライベーターとしてトヨタ・ハイラックスT1+を駆るヤジード・アルラジ/ティモ・ゴットシャルク組が優勝。アルラジ/ゴットシャルク組はクリーンで安定した走行を続け、自身初となるラリー・モロッコ制覇を成し遂げるとともに、W2RCシリーズランキングでも2位へ浮上しシーズンを終えました。

2年連続でドライバーズタイトルとコドライバーズタイトルを獲得した、ナッサー・アル-アティヤとマシュー・ボーメル
2年連続でドライバーズタイトルとコドライバーズタイトルを獲得した、ナッサー・アル-アティヤとマシュー・ボーメル

 2023年のW2RCシーズンは、第1戦ダカールラリーで幕を開けました。その距離の長さと走行環境の過酷さにより、ダカールラリーは他のラウンドよりも多くのポイントが獲得できます。TGRとアル-アティヤ/ボーメル組はこのダカールラリーを制し、シーズンのタイトル争いに向けて大きくポイントでリードしました。

 第2戦となったアブダビ・デザートチャレンジでは、アル-アティヤ/ボーメル組はステージ3でクラッシュを喫し、完走はなりませんでした。

 第3戦はメキシコで行われたソノラ・ラリー。このラリーでTGRのアル-アティヤ/ボーメル組はネバーギブアップの精神を充分に発揮し、2ステージで勝利、2ステージで2位フィニッシュを飾る好走を見せ、見事総合優勝。合計51ポイントを獲得しました。

 第4戦はアルゼンチンを舞台とするデサフィオ・ルータ40。このラリーでもTGRのアル-アティヤ/ボーメル組は粘り強い走りを見せ、全5ステージのうち4ステージを制して優勝。53ポイントを獲得。この時点で最終戦を待たずしてTGRは2023年シーズンのW2RCマニュファクチャラーズタイトルを確定。ボーメルもコドライバー部門のチャンピオンを決めました。

 そして、第5戦ラリー・モロッコでは総合優勝こそ逃したものの、激しかったシーズンでの健闘が実り、序盤の2ステージを終えたところでアル-アティヤのドライバーズチャンピオンが決定しました。

 2年連続のW2RC完全制覇を成し遂げたTGRですが、2024年のダカールラリーが数カ月後に迫った今、チームはこの大イベントおよび2024年W2RCシーズンへ向けた最終準備へとすでに目標を移しています。

ナッサー・アル-アティヤ駆るGRダカールハイラックスT1+(TOYOTA GAZOO Racing)
ナッサー・アル-アティヤ駆るGRダカールハイラックスT1+(TOYOTA GAZOO Racing)

●TGR W2RCチーム代表 アラン・デュハディン

「2023年シーズンはTGR W2RCチームにとって素晴らしい1年でした。ダカールラリーでの勝利に始まり、強い意志と最高のチームワークによって、3つのW2RCタイトルを獲得できました。さらに、2年連続でW2RCの全3タイトルを制覇できたことをチーム全員がとても喜んでいます。2023年シーズンのW2RC活動に携わったすべてのエンジニア、メカニック、パートナー、及び関係者の皆さまに心から感謝いたします」

「ドライバーやコ・ドライバーだけでなく、彼らの努力がなければこの素晴らしい結果は成し遂げられなかったでしょう。そして最後に、我々のクルマでシリーズに参加してくれたプライベーターを含む、このサービスパークにいるすべてのトヨタ・ファミリーにも感謝いたします」

「シーズンを通し、彼らのスポーツマンシップとチームワークは比類のないものであり、ともに『もっといいクルマづくり』に邁進できたことは本当に嬉しいです。GRダカールハイラックスT1+は今年もその強さと耐久性を証明してくれました。2024年、そしてそれ以降も、この最高のクルマとともにさらなる旅へ向かうことが楽しみです」

●ナッサー・アル-アティヤ

「私にとって2度目のW2RCタイトルを獲得できて夢のようです。すべての始まりは1月のダカールラリーでの勝利でしたが、今W2RCのダブルチャンピオンとしてこの場に立っているというのは、これ以上の喜びはありません。TOYOTA GAZOO Racingをはじめ、我々のGRダカールハイラックスT1+を作り上げ、メインテナンスしてくれたチーム全員のハードワークと力強いサポートに感謝します」

●マシュー・ボーメル

「最高の気分です。もちろん私自身のコドライバータイトルは前戦終了時点ですでに決まっていましたが、今、改めてW2RCの3つの部門で2連覇できたことに感激しています。ラリー・モロッコは難しいラリーでしたが、すべてのタイトルを獲得するために為すべきことはできましたし、この結果を誇りに思います」


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