また、前日のデイ2でホイールにダメージを負い大きく遅れたオジエは、午前中のステージを3、4番手のタイムで走行し、総合4番手まで順位を回復してみせる。さらに、午後の再走ステージでは2本のベストタイムを記録し、総合3番手につけるオット・タナック(フォード・プーマ・ラリー1)との差を31.1秒まで縮めて一日を終えている。
勝田は午前中こそ思うようにタイムが伸びなかったものの、午後はスピードアップに成功する。ステージ5番手、4番手、3番手と確実にスピードを上げていき、総合5番手でデイ3を走りきってみせた。
なお、コースオフを喫したエバンスのクルマは、サービスパークでの迅速な作業により修理が完了しており最終日デイ4での再出走が予定されている。
「チャンピオンシップを争う2人のドライバーがいる以上、今日のような事態は起こり得ることだ」と語るのは、TGR-WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表。
「エルフィン(・エバンス)の立場からすれば、トライするべき状況だったが、今回このラリーで見てきたように、このような難しいコンディションではミスをしやすい。彼らふたりの戦いが最後まで続いてほしかったと思うが、もちろんまだ完全に終わったわけではない」
「チームはエルフィンのクルマを修理することができたので、エルフィンは戦いを続けるために明日のパワーステージに全力で挑むことでしょう。それと同時に、カッレ(・ロバンペラ)がいいポジションにいて、状況をマネージする能力があることもわかっている」
「セブ(セバスチャン・オジエ)と(勝田)貴元は午後のステージで速さを示し、タイムも良かったので、明日も好調が続くことを楽しみにしている」
その最終日デイ4は、パッサウのサービスパークを起点にオーストリアで1本、ドイツで1本のステージを、ミッドデイサービスを挟むことなく各2回走行するスケジュールとなっている。SS16の再走となるSS18は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスポイントが与えられる“パワーステージ”だ。SS15~18まで都合4本のステージの合計距離は67.24km。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は278.24kmだ。

