ただし国際的な競技の一線から退いて時間が経過しているペター自身も、競技復帰とはいえ優勝戦線に挑むことは考えておらず、あくまで「これは楽しむためのものだ」と強調した。
「優先事項は、史上初のR5規定ポロ第一号であるシャシーNo.1のクルマをドライブし、みんなの笑顔を作り、ノルウェーから来るラリーファンや世界中でERCを見ている人々に何かを与えることさ。昨年、僕らは主催者がこのイベントを盛り上げられるよう(家族総出で)全力を尽くしたが、今回も同様だ。いつものように僕らは結束をさらに高めるべく、できる限りのことをしたいと思っている」と続けたペター。
「だから勝つためにそこに行くわけじゃない。それはショーのためであり、ドライビングを楽しむためだ。ERCには非常に速いドライバーがたくさんいることはわかっているし、現在のERCはとんでもない競争の場だ。それはもう大変だろうね」
現役時代はフィル・ミルズやクリス・パターソンら、イギリス出身のコドライバーと長く組んできたペターだが、今回のERC参戦に際しては地元スウェーデン出身のヨナス・アンデションを起用する。
「最後にラリーGBに参加してから5年になるが(WRC2優勝、総合10位)、それ以来本当に何もしていないんだ。チャンピオンシップでのスピードは信じられないほどのもので、簡単にスイッチを入れることはできないよ。でもヨナスと組めるのは素晴らしいことだ」と改めて意気込みを語ったペター。
「僕らは近くに住んでいるんだけど、これまで一緒に競争したことはなかった。本当に楽しみだし、クルマに戻ってくるのは特別なことさ。カルロス(・サインツ)を見るといい。彼がダカールで優勝し、今やっていることが信じられないほどだ。彼は1999年のチームメイトで、僕のキャリアのなかでも大きな存在感を持つ特別な人物であり、今でもインスピレーションのような存在だ。とても興奮しているし、カムバックが始まっていると彼らにも伝えてくれ!」

