現在、プジョーは“ダカールを知り尽くした男”ステファン・ペテランセルとともに大会連覇を果たしており、最後の1戦となる2018年大会で3連覇を狙う状況だが、サインツは2015年大会で大クラッシュを経験。16年大会はリードしながらもギヤボックストラブルに泣くなど、いまだプジョーとともにポディウムの頂点はおろかイベントの完走すら果たせていない。
「私はつねに勝つために走っているが、今回はもう少し忍耐強くなるべきだろうね。私がダカールで勝った時はステージ制覇は最小限だった。ステージで勝つと、翌日には先頭を走るというリスクを負うことにもなる。だから戦略が重要なんだ、とくに次の大会はね。忍耐することは、私にとってはしんどいことなんだけどね」と、苦笑いのサインツ。
もちろん、この最終2018年大会もプジョースポールはサインツ、ペテランセルに加え、セバスチャン・ローブ、シリル・デプレの強力なドライバー布陣で挑むこととなる。
「私にはとても強力で素晴らしい3人のチームメイトがいる。ペテランセルは豊富な経験を持っていて、つねに優勝争いを前提に走るドライバーだ。またローブもダカール3年目で、勝つための経験値は充分に蓄えたと言えるだろう」
サインツはまた、TOYOTA GAZOO Racing南アフリカのファクトリー支援を受ける“ダブル・ダカール・チャンピオン”のナッサー・アル-アティヤも優勝候補のひとりに挙げたものの、バギータイプの新型マシン『ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・バギー』を投入するX-Raidに関しては、ミッコ・ヒルボネンの能力をもってしても、初年度から優勝戦線に加わるのは厳しいだろう、との予想を口にした。
「ニューモデルで大会を制するのは、本当に至難の技だ。もちろん、彼らの実力と(元WRCタイトルコンテンダーの)ミッコの腕を持ってすれば、いくつかのステージを勝ち獲ることは可能だろう」


