そんな変わりやすい天候を読み切ったのが、ピレリタイヤを装着するSaintéloc Junior Teamのルカヤナクで、かつては“壊し屋”の異名を取った男は、全9SS中6つのステージを制し、2番手のイヴァン・アレス(ヒュンダイi20 R5)に38.3秒ものマージンを築く完璧な初日を過ごした。

「ループステージのなかではときどき苦労もしたけれど、なんのドラマや恐ろしい瞬間もなく、マージンをコントロールすることができた。目まぐるしく変わる天候はクレイジーな経験だったけど、悪い1日ではなかった」と振り返った新生“ロシアン・ロケット”のルカヤナク。

 続く85.65kmのレグ2でも勢いを維持した新たなレインマスターは、この日も9つが設定されたステージのうち3SSで最速を記録する安定感を見せる。最終手前のSS17ではハンドブレーキの不具合からスピンを喫するも、これをきっかけに「さらに集中力が増した」と、2位アレスに対しわずか4.7秒差のギャップで今季2勝目を飾った。

「サイドを引いてターンを開始したけど、最初はロックしなかったのでさらに強く引いたら、突然パチンと効いて回ってしまった。初めてのことで少し奇妙だったが、これは僕のミスだ。でもこれが僕らのやる気を維持してくれたよ」とルカヤナク。

 ERC総合2位アレスのコンマ1秒前には、ERCポイント対象外のフランス人、ヨアン・ボナート(シトロエンC3 R5)が入り大健闘の走りを披露。そして総合3位のグレゴール・ミュンスター(ヒュンダイi20 R5)が、自身初のERC1ジュニア勝利を手にしている。

 一方、前日のSS8で戦列を去っていたブリーンは、この日に再出走を果たして全9ステージを走破し、総合16位までカムバック。難しい天候のターマックでチームMRFのデータ収集に貢献する走りを披露。

 そしてターボトラブルから復活のオリバーも3つのSSでベストタイムをマークして活きの良さをアピールし、ERC1ジュニア3勝目は逃したもののミュンスターに対し7点差のマージンを保っている。

 続く2020年ERC第4戦は11月6~8日開催の『ラリー・ハンガリー』で、2019年には最終ステージでタイトル決定となった劇的決着の舞台。同国北東部ニーレジュハーザ近郊のターマックは、高速でナローなセクションにコースサイドの泥が混じる、難しいステージ群が待ち受ける。

総合3位のグレゴール・ミュンスター(ヒュンダイi20 R5)が、自身初のERC1ジュニア勝利を手にしている
総合3位のグレゴール・ミュンスター(ヒュンダイi20 R5)が、自身初のERC1ジュニア勝利を手にしている
レグ2ではターボトラブルから復活のオリバーも3つのSSでベストタイムをマークして活きの良さをアピール
レグ2ではターボトラブルから復活のオリバーも3つのSSでベストタイムをマークして活きの良さをアピール
最終手前のSS17ではハンドブレーキの不具合からスピンを喫したルカヤナクだが、4.7秒差のギャップで今季2勝目を飾った
最終手前のSS17ではハンドブレーキの不具合からスピンを喫したルカヤナクだが、4.7秒差のギャップで今季2勝目を飾った

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