2016年の世界ラリー選手権(WRC)でドライバーズランキング6位と厳しい戦いを強いられたヤリ-マティ・ラトバラは、シーズン中、自身のモチベーションが「崩壊した」状態であったと語った。

 今シーズン、打倒オジエを掲げてラリーに臨んだラトバラは第3戦メキシコで優勝を果たしたものの、トラブルやクラッシュなどで苦しむ大会も多く、表彰台フィニッシュは合計3回のみ。最終的にランキングでチャンピオンを獲得したオジエとは156点差もの大差をつけられてしまった。

 先週末に行われた第13戦オーストラリアも、今季の悪い流れを象徴するような1戦となった。ラトバラは総合優勝を争ったチームメイトよりも、タイムの出やすいコンディションで出走したものの、オープニングのSS1で欄干にヒット。マシンにダメージを負ってしまい、総合16番手までポジションを落としてしまう。

 その後、総合9位までポジションを挽回してフィニッシュ。ラトバラにとって、この半年でもっとも自信を持って走ることができた週末だったという。

「(第13戦で)クラッシュした後は何も言わなかったし、話す気力も起きなかった」とラトバラ。

「実は第9戦ドイチェランドのSS1でギヤボックストラブルが出た時に、モチベーションが尽きてしまった。今季序盤にも同じようなアクシデントがあったから、『またか!』という思いだったよ」

「あの一件で完全に打ちのめされたんだ。長いことランキング2位でシーズンを終えてきたから、今年こそタイトルを勝ち取りたかった。一度悪い流れに捕まってしまうと、次々と同じような不運が起きる。それがシーズン半ばまで続くと、一切の勝負権を失うことになる」

「最終戦のオーストラリアも厳しいイベントだった。しかし、土曜日に入って、ようやく手応えが戻ってきた。6カ月もの間、苦しんで、ようやく自分を取り戻すことができたんだ。今は来シーズンに力強い走りを披露したくて待ち遠しく感じている」

 オジエと同様、ラトバラもフォルクスワーゲンのWRC撤退により2017年のシートを失ったひとりで、依然として来季のシートは未定のままだ。なお、トミ・マキネン代表は否定しているものの、ラトバラはトヨタに合流するとの見方が強い。

2016年シーズンにラトバラが挙げた勝利は第3戦メキシコの1勝のみ。
2016年シーズンにラトバラが挙げた勝利は第3戦メキシコの1勝のみ。
WRC第13戦オーストラリアでは総合16番手から9位まで挽回してみせた。
WRC第13戦オーストラリアでは総合16番手から9位まで挽回してみせた。

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