そんなエクストリームEの2年目シーズン開催に向けては、すでに初年度の記念すべきオープニングラウンドとして実績を持つサウジアラビア・アルウラ砂漠での1戦が再び開幕戦として2022年2月19~20日にプロットされ、こちらも第2戦として開催された西アフリカ・セネガルに位置するダカールラリーを象徴する海岸線、ラックローズの大海原を背景としたOcean(オーシャン)戦が5月7~8日にスケジュールされた。
この週末にはセネガルに並んで『エジプト』『タンザニア』の新地名も併記され、続く第3戦は地球温暖化の影響を直接的に体感できる土地、氷河の面積縮小が止まらない北極圏グリーンランドに位置するカンゲルルススアークか、こちらも新候補地『アイスランド』での“Arctic X Prix”が予定される。
第4戦以降は初年度にも組み込まれていた南米2戦の候補も含み、9月10~11日には『ブラジル』『アルゼンチン』『ウルグアイ』そして中米『コスタリカ』がノミネート。唯一のヨーロッパ戦は2020年も代替地として開催がアナウンス済みの、山火事被害に苦しんだイタリア・サルディニア島での1戦を睨んだもの。
そして11月26~27日の最終戦候補地には、ABBフォーミュラE世界選手権でも開催実績のあるチリがリストアップされている。
シリーズの気候変動研究を担うサイエンスチーム所属のカルロス・ドワーティ教授は、こうした「気候変動への取り組みと科学の側面は、シリーズの真の基礎である」として、改めて人々の意識に対する問いかけと現実に取り組みを進める意義を強調した。
「すでに今年はサウジアラビアで基礎研究を実施し、融解が続くラッセル氷河からは氷のサンプルを収集することができた。このチャンピオンシップは、私や仲間にとって通常のネットワークの外部の人々にリーチすることで、大衆の機運を高め、気候の問題に向け全員が参加できる解決策について教育するための意見や声、またその機会が得られるんだ」
シリーズの“フローティング・パドック”となる貨客船セントヘレナ号には、参戦各チームの車両やロジスティクス機器、パドックインフラストラクチャなどすべての機材を搭載するとともに、船内の実験室ではこうした環境負荷に対する科学研究のホスト役を務める機能も実装。現在は航空機による移動と船舶のそれとの比較検証なども行いながら、10月23~24日の第4戦“Island X Prix”の開催地イタリア・サルディニア島に向けた航海を続けている。
■2022年エクストリームE『Season 2』暫定カレンダー
ラウンド 開催日 開催地
Rd.1 2月19~20日 サウジアラビア
Rd.2 5月7~8日 セネガル/エジプト/タンザニア
Rd.3 7月9~10日 グリーンランド/アイスランド
Rd.4 9月10~11日 ブラジル/アルゼンチン/ウルグアイ/イタリア/コスタリカ
Rd.5 11月26~27日 チリ