チームメイトのロバンペラは、開幕戦の序盤はペース面で苦しんだものの、ステージを重ねるごとに調子を上げていき、最後には総合4位でフィニッシュ。さらにパワーステージで最速タイムを記録しボーナスの5ポイントを得て、今大会に出場するドライバーのなかでは選手権トップに立っている。そのため競技初日は1番手スタートを担うことになり、路面に積もった雪を掃き飛ばしながら走行するなど、不利な条件での走行となる可能性がある。
2022年シーズンも最高峰クラスにフル参戦する勝田貴元は、コドライバーのアーロン・ジョンストンとともにトヨタGRヤリス・ラリー1に搭乗。引き続きTOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションからの出場となる。
2020年以来、2年ぶりの開催となるラリー・スウェーデンはシリーズ唯一のスノーラリーだ。しかし近年はしばしば雪不足が問題となった。これを解消するため、今大会では開催地がこれまでのトルシュビーから北部のウメオに移されている。
このラリーでは雪と氷に覆われた森林地帯が舞台となるため、各車は金属製のスタッド(=スパイク)が埋め込まれた特殊な雪道専用タイヤを使用する。なお、スタッドがしっかりと氷雪路面に食い込むことで非常に高いグリップ力が発生することから、雪壁に囲まれたステージでありながらハイスピードな戦いが繰り広げられるのもラリー・スウェーデンの特徴のひとつだ。
そんなスウェーデン戦に向け、TGR WRTは開幕戦後に同国とフィンランドでテストを実施。積雪路や凍結したステージでのトヨタGRヤリス・ラリー1のパフォーマンスを高めてきた。
チーム代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラは、GRヤリス・ラリー1で今戦に出場するドライバーたちにとって、良い週末になる可能性があると信じていると語った。
「ラリー・モンテカルロでは少し運に恵まれなかったが、GRヤリス・ラリー1の信頼性の高さと速さを確認できたことは、ラリー・スウェーデンに向けて大きな励みになった」と同氏。
「ラリー・スウェーデンには2017年にドライバーとして出場し、チームにとっての初優勝を獲得するなど良い思い出があるんだ。それ以外の年も我々のチームは多くの成功を収めてきたが、このようなコンディションのラリーに新しいクルマで臨むということに関しては、どのチームも経験値は似たようなレベルだ。ラリーはウメオ周辺の完全に新しいエリアで行われるが、充分な積雪が保証されるはずだし、ステージもこれまでとは異なるものになるだろう」
「エサペッカ(・ラッピ)がチームに復帰し、今シーズン初めて我々のラインナップに加わるのは素晴らしいことだ。エルフィン(・エバンス)やカッレ(・ロバンペラ)と同様に、彼は以前からこのようなコンディションを得意にしているので、すべてがうまくいけば、TOYOTA GAZOO Racingの4人のドライバーにとって非常に良い週末になる可能性があると信じている」
ラリーはスタートセレモニーとシェイクダウンが行われる24日(木)の翌日から競技が開始され、初日は計7本のSSで争われる。26日(土)はウメオとその西側のエリアで合わせて6本のSSが行われ、最終日の27日(日)はサービスパークの北西側で4SSが予定されている。週末のステージは全部で17本。このうち最終SS17はステージ上位タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスが付与される“パワーステージ”となっている。