今回、スケジュール改訂の影響を受けたニュルブルクリンク運営組織のCEOを務めるインゴ・ボーダー代表と、同じく新開幕戦の地ノルウェー・ヘル会場の、トーヘージ・フォーボード・スリン代表も、このラリークロス新時代幕開けに期待を寄せる。
「昨年には素晴らしいレースと、素晴らしいタイトルバトルが行われた初開催イベントを経て、このスポーツの新時代を飾る最初のラウンドをホストできなかったのは残念な気持ちで一杯だ。しかし今は、電動化初年度のフィナーレを担当することを非常に楽しみにしている。11月の新しい日付では、ダブルヘッダーの興奮をさらに増すべく、ふたたび雪が散りばめられたトラックを目の当たりにするかもしれないね……」と、ニュルCEOのボーダー代表。
一方、ヘルのスリン代表も「我々としても、WorldRXカレンダーへの復帰には大いなる関心と興奮があったし、待望のチャンピオンシップ電動化時代のプレミアを上演することは、まさに華を添える出来事だ」と歓迎の意を示した。
「ノルウェーの人々は、自動車業界のエネルギー転換をリードしていることを誇りに思っている。現在ここで販売されている新車の90%は、電気自動車かハイブリッド車なんだ。そのためラリークロス・プロモーターが行っていることと多くの相乗効果があり、今後の展開を楽しみにしている。ファンにとっては、4つのクラスすべてでセンセーショナルなアクションを目撃する素晴らしいイベントになるだろうね」
新時代のグリッドに並ぶ最高峰車両RX1eは、オーストリアのEVパイオニア企業であるクライゼル・エレクトリック社がシリーズ主催のラリークロス・プロモーターGmbHやFIA国際自動車連盟と緊密に協力して開発製造するKit(キット)を活用。ツインモーターにより総合出力500kW(約689PS)、瞬間的に880Nmもの最大トルクを発生する。
既存の内燃機関スーパーカーをコンバートしたマシンには、最大容量52.65kWhのバッテリーが搭載され、システム重量は300Kg、車両全体の総重量は1330kgに規定される。前後アクスルで独立したモーターはカーボンラップされ、プリロードオプション付きの高性能トランスミッションとLSDも装備される。