その午後の1本目となったSS19は、タナクが反撃に出てベストタイムをマークした。対するエバンスはステージ3番手でライバルから0.5秒遅れてしまう。7.2秒のギャップとなって勝負は最後のSS20へ。
この最終パワーステージでは、先にアタックに入ったエバンスが僚友ロバンペラに次ぐステージ2番手タイムを記録してタナクの到着を待つ。最終走者のタナクは4km過ぎのスプリットタイムではエバンスを上回ったが、徐々に遅れていき最終的には2.2秒のプラスでフィニッシュ。この結果、両名のタイムは5.0秒に縮まったが“貯金”を有効に利用したタナクがリードを守り、前戦フィンランドに続く2連勝を飾った。
表彰台の最後のひと枠を確保したのは、激しい優勝争いの後ろで“ひとり旅状態”にあったエサペッカ・ラッピ(トヨタGRヤリス・ラリー1)。彼も2戦連続の3位フィニッシュとなっている。
総合4位はオリバー・ソルベルグ(ヒョンデi20 Nラリー1)。彼はMスポーツのアドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)とポジションを争っていたが、ライバルがSS19でクラッシュしたことで、こちらも最終SS20では前後の差が開いたなかでの走りとなった。
初日のギアボックストラブルでの遅れから、前日に総合6番手まで順位を上げてきていた勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合5位でフィニッシュ。パワーステージでは5番手タイムをマークし、ボーナスの選手権ポイント1点も獲得している。
総合6位には今戦のWRC2クラスウイナーとなったステファン・ルフェーブル(シトロエンC3ラリー2)が入り、同2位のアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)、同3位ヨアン・ロッセル(シトロエンC3ラリー2)が続く総合トップ8リザルトとなっている。
選手権ランキングではドライバー部門首位のロバンペラ(203pt)と2位タナク(131pt)の差が72ポイントに縮まった。一方、マニュファクチャラーズ部門では首位TOYOTA GAZOO Racing WRT(381pt)と2位ヒョンデ・シェル・モビスWRT(293pt)のポイント差は「88」から変わっていない。
いよいよシーズン終盤戦に突入するWRCの次戦第10戦は、9月8~11日に開催されるアクロポリス・ラリー・ギリシャだ。グラベル(未舗装路)ステージで争われる同ラリーにはシリーズ9冠王者セバスチャン・ローブの出場も決定している。





