一方のオジエは、デイ1で4本のベストタイムを記録しながらも、SS2でダメージを負ったホイールの交換作業で大幅にタイムロス。それでも総合5番手で初日のラリーを終えたが、その日の夕方に60秒のタイムペナルティが課せられ総合7番手に順位を下げた。
さらにデイ2の朝、SS9に向かうロードセクションで発生した問題の解決に時間を要し、タイムコントロールに遅着したことで10秒のペナルティを受けてしまう。しかしオジエのスピードに陰りはなく、3本のベストタイムを記録して総合4番手まで順位を挽回してみせた。
“8冠王者”のオジエと同じくデイ1でのホイール交換によって大きく遅れていた“最年少王者”ロバンペラは、デイ2で4本のベストタイムを刻むなどして総合5位まで浮上。一日をとおして接近戦を繰り広げた22歳のフィンランド人と39歳のフランス人のタイム差は、デイ2最終のSS16をオジエが制したあと2秒ジャストとなった。ふたりのチャンピオンによる4番手争いは明日の最終日も続くことになる。
「今日は私たちにとって良い一日だった。ドライバーは全員パフォーマンスレベルが非常に高かったと思う」と競技2日目を振り返るのは、チーム代表のヤリ-マティ・ラトバラ。
「エルフィン(・エバンス)のおかげでラリーをリードすることができたし、難しいコンディションで25秒以上のリードを築けたのは、彼の多大な努力の賜物だ。もちろん、素晴らしい戦いをしていたティエリー(・ヌービル)のリタイアによってリードを得ることは望んでいなかったが、その新しいステージが非常に難しいコンディションだったことが証明された」
「また、セブ(セバスチャン・オジエ)とカッレ(・ロバンペラ)というふたりのワールドチャンピオンが、クリーンファイトをしながら順位を上げていったのは興味深く、マニュファクチャラーズポイントという点でも良かった」
「そして、(勝田)貴元が自信を持ち始めたのもまた、良いことだ。23日(日)の最終日は、昨年よりもコンディションが安定しそうなので、すべてがうまくいくことを願っている」
その競技3日目はサービスパークが置かれているザグレブの北側エリアで2本のステージを各2回走行する。SS17からSS20、計4本のSSの合計距離は54.48km。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は374.52kmだ。なお最終ステージのSS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスポイントが付与される“パワーステージ”に指定されている。

