「いろいろな工夫をしながらやっているのですが、それでもやはり限界はあります。水の圧力はものすごくて、使っているパーツの強度が足りないこともあります」と勝田は語る。
「たとえバンパーが壊れていなくても下からの水圧はものすごくて、エルフィン(・エバンス)選手やセバスチャン(・オジエ)選手がそうだったのですが、アンダーガードのボルトが全部折れて、すべて取れてしまうくらいでした」
「それほどの水圧が掛かると、予測していない場所からもエンジンルーム内に水が入ってきてしまいます」
3位表彰台を獲得したカッレ・ロバンペラの駆る1台を除き目に見えるかたちでダメージを負ってしまったトヨタ勢だが、トヨタGRヤリス・ラリー1がデビューした2022年シーズンと比べると、マシンは確実に“カイゼン”されていると勝田は説明した。
「昨年はもう、まったくもって普通にスプラッシュに入れるような状況ではなかったですね。正直に言って、バルブはまともに作動していない状態でした」
「(今季に向けては)エンジニアサイドもデザイナーサイドもすごく頑張ってくれて、普通に入る分には問題ないところまでいっていたのですけど、今年のサルディニアに限っては雨の量ものすごかったので……。本来だったら水深が10cm、15cmしかない場所が、今年は30cmあったりとか、そういった影響もあってより多くのトラブルを巻き起こしたんじゃないかと思います」
「エルフィン選手(のクルマ)が破損したウォータースプラッシュに関しては、本来スプラッシュの予定はないところで、あれは単なる大きな水たまりだったんです。そういったところもチーム側だけでなく、ドライバーも含めて非常に悩ませるようなラリーだったかな、と思っています」

