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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2016.05.08 08:38
更新日: 2016.05.08 09:49

サバイバルレースのWECスパはアウディ8号車がV。独走トヨタはトラブルに泣く

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ル・マン/WEC | サバイバルレースのWECスパはアウディ8号車がV。独走トヨタはトラブルに泣く

 FIA 世界耐久選手権(WEC)第2戦スパ・フランコルシャンは7日、6時間の決勝が行われ、ルーカス・ディ・グラッシ/ロイック・デュバル/オリバー・ジャービス組の8号車アウディR18がトップチェッカーを受けた。

 LMP1-Hクラスの6台すべてがトラブルに遭遇するサバイバルレースとなった土曜の決勝。最後に笑ったのは失格騒動で開幕戦の優勝を逃したアウディ陣営の一台、8号車アウディR18で、ちょうど1年ぶりとなる勝利をアウディ陣営にもたらした。

 まずはじめにレースをリードしたのはポールスタートのポルシェ1号車。ブレンドン・ハートレーの駆る919ハイブリッドは、2番手につけるマルク・リーブのポルシェ2号車にも序盤からギャップを築いていくと、その2号車が早くも7周目にハイブリッドシステムのトラブルで後退。代わってアウディ8号車が2番手に上がり、以下トヨタ5号車、アウディ7号車、トヨタ6号車の順で続いた。

WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間 決勝
WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間 決勝

 しかし、レースが落ち着き始めた20周目、マイク・コンウェイのドライブするトヨタ6号車が3番手にポジションを落としていたアウディ8号車を捉えようとバスストップシケインでギャップを詰めるも、アウト側からコーナーにアプローチしていたLMP2クラスのマシンに追突。すぐにピットに入ったものの、ダメージの修復でタイムロスを喫すると、その後にドライブスルーのペナルティを課されて周回遅れの5番手までポジションを落とした。

 しかしながら、2番手を走っていたもう一台のトヨタ5号車は、スターターを務めたセバスチャン・ブエミが23周目に給油のみのダブルスティントを敢行し、10秒近く先行していたポルシェ1号車からリードを奪うことに成功。その後デイビッドソンは、ティモ・ベルンハルトのポルシェに背後まで迫られたものの、37周目のオー・ルージュ付近でポルシェの左フロントタイヤがパンク。ほぼ1周をスロー走行する羽目となった1号車は、ピットでフロントカウルを交換して周回遅れの5番手でコースに復帰するも、直後の44周目に最初のパンクで痛めたパーツが2度目のパンクを誘発。ガレージでの作業を強いられた1号車は、4周遅れの総合18番手までポジションを落としてしまった。

WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間 決勝
WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間 決勝

 その間、レースはトヨタ5号車が快調な走りで2番手アウディ8号車とのギャップを拡大。逆に後続は、3番手のアウディ7号車がガレージに収まり5周遅れの7番手まで後退したほか、47周目にはLMGTE ProのアストンマーチンがLMP2のマシンと絡んで横転するなど、その後もアクシンデントやトラブルが相次ぐ展開となった。

 レースが中盤に差し掛かると、先頭を走るトヨタ5号車のリードはさらに広がる。100周を前に中嶋一貴にドライバー交代すると、一貴は2番手アウディ8号車を周回遅れにして、完全な独走状態に持ち込んだ。
 だが、レースが残り2時間を切ると、それまで盤石だった5号車にまさかのトラブルが発生する。突然、右のリヤから白煙があがったTS050ハイブリッドはなんとかピットまで戻ったが、ほどなくして修復作業を諦めレースから離脱。また、もう一台の6号車も序盤のペナルティから3番手までポジションを回復していたが、90周を前にオイルリークのトラブルに見舞われ、最後は電気系の問題でエンジンにダメージがおよび一足早く戦線を離脱、トヨタ2台は好結果を目前にしながらレースを終えることとなった。

WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間 決勝
WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間 決勝

 トヨタ勢の脱落でレースリーダーにはアウディ8号車が浮上。2番手にハイブリッドシテムのトラブルからなんとかペースを持ち直したポルシェ2号車、3番手と4番手にはノンハイブリッドのレベリオン・レーシング13号車と12号車という順位に変わった。

 先頭のアウディ8号車は終盤にテレメトリーの問題を抱え、138周目には一旦ガレージに収まる場面があったものの、特に大きなロスもなく2周のリードを保ってコースに復帰。最後はジャービスが160周まで周回を重ね、大荒れのレースに終止符を打った。
 序盤に2度のパンクで優勝争いから脱落したポルシェ1号車は、52周目のピットイン以降、およそ100分の修復作業の末にマーク・ウエーバーがコースへ復帰。112周を走り、110周のトヨタ5号車とともになんとか完走扱いとし、リタイアを免れている。

WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間 決勝
WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間 決勝

 終盤までもつれたLMP2クラスは、最後にLMGTEのフォードを挟んでアウトから31号車を交わしたシグナテック・アルピーヌの36号車がクラスV。3位には最終ラップで43号車を攻略した45号車マノーのオレカ05・ニッサンが入った。また、LMGTE Proクラスは、71号車と51号車のAFコルセ2台が終盤まで接戦を繰り広げていたが、最後に51号車がトラブルに見舞われ、軍配は71号車に。LMGTE Amクラスは、アストンマーチン・レーシングの98号車がAFコルセの83号車を1周差で退け、クラス優勝を飾っている。

 なお、100周目にオー・ルージュでクラッシュし、大きなダメージを喫した66号車フォードGTのドライバー、ステファン・ミュッケはメディカルセンターに搬送されたが、挫傷以外の大きな怪我はなかった模様だ。

WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間 決勝
WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間 決勝


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