今シーズンのWECにおいて、もっとも注目集めるドライバーライアップを擁するのはLMP2クラスのヴァイヨン・レベリオンだろう。
13号車と31号車の2台体制で参戦する同チームは“セナ、プロスト、ピケ”という1980年代のF1ファンにはたまらないビッグネームを揃え、ブルーノ・セナとニコラス・プロストが31号車オレカ、ネルソン・ピケJr.が13号車オレカをドライブする。
WECにはこのほかにも元F1ドライバーのジャン-エリック・ベルニュ、ビタリー・ペトロフ、ペドロ・ラミー、今季のル・マンで3台目のトヨタTS050ハイブリッドをドライブしたニコラス・ラピエール、元アウディ・ワークスドライバーのオリバー・ジャービスなど、多数の有力ドライバーが参戦。
またスーパーGT500クラスで活躍し、日本でも人気のあるフレデリック・マコウィッキや、フォーミュラEのトップドライバーのひとりであるサム・バードなどが参戦するLM-GTEプロクラスでは、各メーカーのワークスドライバーがしのぎを削る。
そして、多くの注目ドライバーが出場するなかで忘れてはならないのは、チームオーナーを務めるふたりの世界的映画俳優の存在だ。
LMP2クラスに2台体制で参戦するジャッキー・チェンDCレーシングはその名の通り、アクション映画でお馴染みのジャッキー・チェンが共同オーナーを務めるチーム。
シーズン開幕前から話題を集めていた同チームは、ル・マン24時間で総合優勝まであと一歩に迫る総合2位、3位(LMP2クラスワン・ツー)となったことで注目度がさらに上昇した。
また、LM-GTEアマクラスには、ハリウッド映画俳優のパトリック・デンプシーの名を冠するデンプシー-プロトン・レーシングが参戦。
今シーズン、すでに2勝をマークしている同チームは2015年、デンプシー自らがドライバーとして参戦し、同年のWEC富士ではキャリア初優勝を達成した。現在は本業の俳優業に専念しているデンプシーだが、ふたたびドライバーとしてサーキットに戻ってくることを願うファンも多い。