WEC第2戦スパ ポルシェ919ハイブリッド
WEC第2戦スパ ポルシェ919ハイブリッド

レースのポイント5:ピットクルー
 ピットクルーは、どのようなピットストップが必要になった場合でも、通知があればすぐに対応できるよう常にスタンバイしています。そして、彼らはすばやく作業をこなします。2015年のル・マン24時間レースで3台のポルシェ919ハイブリッドに費やした合計時間はピットロード走行を含め95分36秒でした。比較するために例を挙げると、次に早い3台態勢のチームのタイムは130分を超えていました。

 クルーのチーフを務めるアミエル・リンゼイ(ニュージーランド)は、このような優れたパフォーマンスの理由を「ちょっとした訓練」だと、謙虚な姿勢で語りました。ピットストップでの立ち回りでさえ、科学的に分析されています。それは、F1とは対照的に、車両の作業をできるメカニックの人数が限られて居るにもかかわらず、少人数での作業が極めて困難だからです。2016年シーズンには、レギュレーションもさらに厳しくなり11ページにもわたる詳細なレギュレーションが定められています。これには、給油に関わるのは2名のみが許可され、給油作業中、車両はタイヤが接地している必要があり、タイヤ交換が完了するまで給油は禁止、タイヤ交換の作業を行うことができるメカニックは4名まで、同時に使用できるインパクトレンチは1台のみといったレギュレーションと、さらにペナルティのリストが含まれます。リンゼイは、いつ、どのステップとどの手順を実施するかを瞬時に判断し、それぞれの役割を誰が担当するかを考慮します。次に、ワークショップでリハーサルを行います。これは、1シーズンで250回以上におよびます。これに、テスト中の訓練とレースウィークエンドのピットストップが加わります。タイヤを装着したホイールの重量は19.9 kgにもなるため、メカニック達は頑強で、すばやく、ストレスに強くなければなりません。彼らにも、多大なプレッシャーがかかります。

 燃料消費量、タイヤの摩耗、ピットでのメンテナンスおよびサービスの軽減など、多くの項目は計算が可能で、テストすることができるものもあり、訓練することができます。しかし、ストラテジスト達は彼らの想定するシナリオによって24時間で起こり得るすべての事象を網羅することはできません。これをポルシェのワークスドライバーであるマーク・ウェバーの言葉がよく言い表しています。「ル・マンは過酷です。ライバル達のことを考える前に、まずレース自体と戦わなければなりません」。

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