■フラットで砂埃がすごいユタ
ふたりとターナー・モータースポーツが出場することになったのは、ユタ・モータースポーツ・キャンパスでの第9戦に決定した。このコースでは、かつてアメリカン・ル・マンやグランダム等も開催されていたが、現在大きなシリーズはPWCくらい。ただソルトレークシティからも近く、交通の便は良い。
「乾燥地帯に忽然とあるようなコースで、砂埃がすごくて。日本では絶対に見ないようなコースでしたね」と白坂はコースの印象を語ってくれた。
コース長は3.047マイル=4.903kmで、白坂によればとにかくコースはフラット。砂埃のためスリッピーで、「フラットで特殊ですし、すごく滑るしコンディションも大きく変わる。路面がボコボコで、リペアした後があちこちあります」という印象だという。日中と夜の温度差は激しく、乾燥がひどいという。
そんなコースに圧倒された白坂たちだが、チームにも驚かされたという。ターナー・モータースポーツは先述のとおり強豪だが、「日本人が想像するような大味なイメージはまったくなくて、すごくきっちりしているんです」と白坂は語る。
「エンジニアとデータエンジニアの連携もすごくて、BMWからのサポートスタッフも常駐していますからね。今回、BMW M6 GT3がユタを走ること自体が初めてだったので、データがまったくなかったのが厳しかったですが、エンジニアもメカニックもずっと働いているような印象でした。テストのときからすごくシステマチックです。こんなこと言うと怒られちゃいますが、本当にイメージと違いました(笑)」
もちろん、アメリカ人らしい一面も。白坂の名『タク』が『タコス』に似ていることから、タコス好きのチームオーナーがリヤウイングに『#TakuNotTaco』とロゴまで入れてしまったとか。