レース中盤、そのモクがピットレーンでスピード違反を犯したことでドライブスルーペナルティを受けた61号車フェラーリだったが、レース折り返し直前に導入されたセーフティカーランによってギャップを縮め、トップから15秒差の4番手で中盤戦へ。
その後、ピットアウト直後にフルコースイエローが出される不運に見舞われながらも、澤のドライブするフェラーリは2分01~02秒台の好ペースでラップを重ねていき、クラス6番手でエースのグリフィンに交代。最後はグリフィンが2分00~02秒という渾身の走りで前を走るガルフ・レーシングの86号車ポルシェを交わしてクラス5番手に上がるも、これ以上のポジションアップは叶わず。昨年デビューウインを達成した地でクラス5位フィニッシュとなった。
「本当にポルシェとアストンマーチン勢の速さと強さに対抗するのが難しい週末でした」とレースを振り返った澤。
「低温のシルバーストンだからこそできた柔らかめのル・マン仕様タイヤをもってしても、まだ(グリップ力が)足りない部分がある上に、シルバーストンのようなハイグリップサーキットでソフトタイヤを使っているにもかかわらず、ピックアップ問題とも戦うことになりました」
「しかし、そんな厳しい条件のなかでもスタートで持ち味である粘り強いレースを展開でき『表彰台圏内でゴールができるかも』という期待を持たせて次(のドライバー)につなげられたし、3人のドライバーはほぼノーミスでベストの内容と言えるレースでの5位ですから、表彰台に届かなかった割にはチームの雰囲気はすごく明るいと言えます」
今回、42回目の誕生日を迎えた直後のレースとなったが、澤はまだまだ自身の成長を感じると言う。
「42歳を迎えて初のレースウイークでしたが、公式戦185戦を戦ってなお、まだ自分の中で成長を感じ、チームから信頼を得て走れる喜びがあります」
「次はいよいよチームにとっても、僕個人にとってもホームコースと言える富士戦です! 世界選手権ドライバーとして2回目の凱旋レースになりますので、(優勝が見えたなかで2位に終わった)昨年のレースでの忘れ物を取りに行くべく、今までどおりの“ベストを尽くす走り”に徹して、応援に来てくださるたくさんの方々の前で良いレースをしたいと思っています」
LM-GTEクラスランキング2位を維持して第3戦終えた澤圭太とクリアウォーター・レーシングの“ホームレース”、WEC第4戦富士6時間は10月12~14日、静岡県の富士スピードウェイで開催される。