──新たにチームを率いるうえで、改革した部分などはありますか?
HS:
さまざまなプロジェクトが同時進行しているから、それらの各責任者がスムーズに仕事ができるようにチーム内の編成を少し変更したよ。また、以前に叔父が使用していた部屋を譲り受けたんだけど、僕ひとりではなく、チームの幹部が一緒に使用する部屋に模様替えをしたんだ。シュニッツァーはニュルブルクリンク24時間やスパ24時間などの大きなレースには少しフリーランスのサポートエンジニアやメカニックが加わるものの、その他は全員が長年勤めてくれている正社員ばかりだからね。とても家族的で和気あいあいとしているんだ。この雰囲気は、父がチームを立ち上げた頃からまったく変わっていないし、今後もずっと変わることはないだろうね。

──2019年のインターコンチネンタルGTチャレンジの鈴鹿10時間耐久レースでは、WTCC以来の再来日となりましたが、あなたやチームの日本、そして日本のファンの印象はいかがでしたか?
HS:
チームがマクラーレンF1 GTRを走らせていたころにチームに帯同させてもらったときが初めての鈴鹿だったんだ。そのころの非常にいい思い出が鮮明に残っており、去年の鈴鹿はずいぶん前から非常に楽しみにしていた。何よりも、ポールポジションを獲れたことはとても光栄だったね。シュニッツァーはJTCCやWTCCをはじめ、日本では数多くのレースで活躍した経験があり、先代からの多くのファンの方がシュニッツァーのことを今も覚えてくれていた。鈴鹿では朝早くから夜遅くまで、ピットの前を訪れて応援してくれたファンがいたことは、とても嬉しかったね。初めて日本へ行ったメンバーもおり、欧州とのレースの違いや、日本人や文化に触れあえたことは、チーム全員にとってとてもポジティブな経験となったことは間違いないだろう。

──そんな鈴鹿では、ドライバーだけではなく、あなたにも多くのファンがサインや記念撮影を求める姿を見かけましたが、最初はびっくりされていましたね。
HS:
てっきりドライバーを呼んできて欲しいのかと思っていたんだ。『えっ!? 僕のサインを?』とちょっと戸惑ったね(笑)。ヨーロッパではあまり見かけない光景だから。こんなにもチームを応援してくれるのはとても感謝しているよ。そして、みなさんがとても礼儀正しいのにもびっくりしたんだ。噂どおり、いやそれ以上に日本のファンはスゴかった! シュニッツァーは先代の頃から多くのファンに支えてもらいながら、ともにモータースポーツ活動を歩んできたから、ファンは大歓迎だ!

鈴鹿10時間をリードするBMWチーム・シュニッツァーの42号車M6 GT3
鈴鹿10時間をリードするBMWチーム・シュニッツァーの42号車M6 GT3
2019年の鈴鹿10時間、ポールを獲得した42号車BMW M6 GT3のドライバーたち
2019年の鈴鹿10時間、ポールを獲得した42号車BMW M6 GT3のドライバーたち
名門シュニッツァー・モータースポーツの代表を務めるヘルベルト・シュニッツァー・ジュニア
名門シュニッツァー・モータースポーツの代表を務めるヘルベルト・シュニッツァー・ジュニア

■M4 GT3の開発とニュルブルクリンクへの挑戦

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