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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2020.09.14 21:42
更新日: 2020.09.15 10:01

アルピーヌ、2021年のWEC/ル・マンに“LMP1”での参戦を発表。BoPを用いてハイパーカーと競う

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ル・マン/WEC | アルピーヌ、2021年のWEC/ル・マンに“LMP1”での参戦を発表。BoPを用いてハイパーカーと競う

 アルピーヌは9月14日、WEC世界耐久選手権の2021シーズン、および2021年のル・マン24時間レースに、『アルピーヌ・エンデュランス・チーム』としてLMP1マシンで参戦すると発表した。

 現在参戦しているLMP2プログラムについては今季(2019/20シーズン)でいったん区切りをつけ、2021年からのLMP1プログラムにリソースを集中する。

 先日、2021年からルノーF1チームの名称を『アルピーヌF1チーム』へと変更することを発表したグループ・ルノー。来季は『アルピーヌ』の名で、もうひとつの世界選手権へと臨むことになった。

 アルピーヌと耐久レースといえば、1963年から1978年にかけて11回参戦したル・マン24時間レースでの活動が有名だ。最終的にはターボエンジンを搭載したルノー・アルピーヌA442Bで1978年のル・マン24時間レースを初制覇し、その後はF1へと活動の場を移していった。

 21世紀に入り、フィリップ・シノー率いるシグナテック(シグネチャー)チームとのジョイントで2013年からヨーロピアン・ル・マンシリーズのLMP2クラスを戦ってきたアルピーヌは、2015年にはWECへと活躍の舞台を移し、ル・マンの舞台に復帰。2016、2018、2019年にル・マン24時間レースでクラス優勝を果たし、さらには2度にわたって世界チャンピオンに輝くなど、LMP2のフィールドでその地位を確固たるものとしてきた。

「アルピーヌはコンペティションのために生まれた。レースへの情熱がそのDNAに埋め込まれている」とアルピーヌのマネージング・ダイレクター、パトリック・マリノフは最高峰カテゴリー参戦の経緯を説明する。

「(LMP2で積み上げてきた)我々の力を、次はLMP1の舞台で証明してみせたいと思う。これは我々にとって、自然な“ネクスト・ステップ”だ」

「グループ・ルノーは、アルピーヌの名をスポーツカー・ブランドとして訴求するという明確なビジョンを持っている。したがって、アルピーヌの名の下にレースをすることには意味がある」

 2021シーズンに使用するシャシーはLMP2でも長年パートナーとしているオレカ製。ギブソンエンジンを搭載するということで、2020年ル・マン24時間レースを最後に活動終了を表明しているレベリオン・レーシングのレベリオンR13がベースになる。

 LMP2ではいわゆる“バッヂ替え”でオレカ製シャシーを「アルピーヌA470」という登録名で使用してきたが、LMP1においても「オレカシャシーをベースとしたアルピーヌLMP1プロトタイプで戦う」と発表されており、マシンにはアルピーヌの名が冠されることが濃厚だ。

 アルピーヌのリリースのなかでは「ACOとFIAは、すべての参加マシンの性能を同等にするBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)を用いることで、ハイパーカーと並んでLMP1マシンの参戦を許可する」と記されており、トヨタやスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス、そしてバイコレスが送り込む予定のハイパーカーと同じ土俵で戦うことになる模様だ。

「最新の2021年規則の変更により、我々の技術的なノウハウとコンペティティブなレースの経験を活用することが許されることとなった」とマリノフ。

「さまざまなコスト・コントロール策により、適度な投資で参入することが可能になった。ACOによるルール変更のおかげだ」

「おそらくこれは、“ダビデとゴリアテ”(弱小な者が強大な敵を倒すという意)に似た話になる。我々がゴリアテ(強者)ではないことは、誰もが分かるだろう。でもこれは、我々が求めていたチャレンジなんだ」

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