そうしたことはすべて真実だとしても、アウディとプジョーの間の偉大なバトルをどうして忘れられようか?2011年のル・マン24時間レースは信じられないくらいの接戦で終わった。ハイブリッドマシンの初登場。トヨタの参戦。WEC世界耐久選手権はプロトタイプレースをかつてないほど人気のあるものにした。そして過去3年におよぶドイツ勢の戦い(トヨタGRヨーロッパはドイツのケルンにある)。私たちは過去17年にわたって本当に数多くの素晴らしい瞬間を目撃してきた!そして、これからは、新たな“ハイパーカー”を歓迎する時だ。
これはエキサイティングな節目であり、私はトヨタと他のマニュファクチャラーが、時機が来た時に何を明らかにするのかを楽しみにしている。ACOとFIAは、これがLMP1クラスの最高の要素と、GT1クラスのような過去の最高のレギュレーションが混ざったものにし、一方で比較的手頃なコストを実現することを望んでいる。LMP1クラスが誕生した時のように、成功への要素はそこにあるようだ。過去数年で世界は大きく変わり、耐久レースが変化に適応することを学ぶことが重要だ。私たちの前にあるものが、何年もの間私たちに夢を見させてくれることを確信している。
1998年にル・マンに行った時、私は現代のマシンがGT1ほどにエキサイティングになることは不可能だと思っていた。そうしたマシンが私の心の特別な位置を占めていたことは事実だ。しかしLMP900とLMP1クラスは素晴らしかった。これらのマシンは、ル・マン・プロトタイプがどういうものであるかというイメージを再構築した。そしてその時、私は特にトヨタ、ポルシェ、アウディの三者のバトルと、サルト・サーキットでの印象深いラップタイムを生で見ることができて幸せだった。
そしてこの記事を終わらせるのに良いニュースがひとつある。私が、LMP1マシンのレースをふたたび見ることはないと言ったのを覚えているだろうか?それは厳密に言えば真実ではない。なぜなら2021年に、アルピーヌが『アルピーヌ・エンデュランス・チーム』としてロゴを付け替えたレベリオンR13のLMP1マシンでWECに参戦するからだ。私は目を離さないでいる!
