レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2021.07.26 13:40
更新日: 2021.07.26 13:41

D’station Racing 2021 WEC世界耐久選手権第3戦モンツァ レースレポート

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


ル・マン/WEC | D’station Racing 2021 WEC世界耐久選手権第3戦モンツァ レースレポート

D’station Racing

Race Report – 2021.07.26

dstation-racing.jp
Instagram : @dstation_racing
Twitter : @dstation_racing
Facebook : @DstationRacing

2021 FIA World Endurance Championship
Round 3 6 Hours of Monza (ITA)

JUL. 17 – 18 Qualify :10th / Race:3rd

藤井が世界を唸らせるバトルを展開。ついに3位表彰台獲得!

 第1戦では完走を果たしたものの、第2戦では思わぬ接触によりリタイアと、WEC世界耐久選手権で波乱の開幕2戦をこなしてきたD’station Racing。シリーズのハイライトである第4戦ル・マン24時間を前に迎える第3戦は、永き歴史を誇る高速コース、イタリアのアウトドローモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァだ。

 D’station Racingの星野敏と藤井誠暢のふたりは、イタリア入りする前にフランスへ寄り、ル・マン24時間に向けたシミュレーターテストをこなしモンツァ入り。アンドリュー・ワトソンと合流し、7月16日(金)からスタートしたフリープラクティスに臨んだ。1回目ではワトソンから星野、藤井、ワトソンと交代しながら周回を重ね、7月17日(土)の2回目は藤井、星野、ワトソン、星野と交代。3回目は星野から藤井、ふたたび星野と周回を重ね、1回目は4番手、2回目は8番手、3回目は12番手とセットを進めていった。

 日本も暑い週末だったが、この日はイタリアも気温32度という暑さ。そんななか、7月17日(土)の現地時間午後6時にスタートした公式予選では、星野がタイムアタックを担当。2周目からタイムアタックに入っていくと1分49秒665、3周目には1分49秒128というタイムをマーク。その後も49秒台を並べ、LM-GTE Amクラスの10番手につけてみせ、決勝に向けてたしかな手ごたえを得ることになった。

 明けて7月18日(日)の決勝日は、スタートから気温30度とやはり暑いなかでのレースとなった。スタートを担当したのは、今回も藤井だ。タイトなスタート直後の1コーナーをきっちりと抜けると、開幕2戦同様に藤井はライバルを続々とオーバーテイクしていく。16周目には4番手まで浮上し、星野に交代した。

 星野のペースも良好で、予選並みの1分49秒台のラップタイムを連発しながら周回を重ねていくと、一気に上位に入っていく。48周目にはピットインし、ダブルスティントに挑戦。その後も1分50秒台を続け、極めて安定感ある走りで自らのスティントをしっかりこなすと、69周を終えピットイン。ワトソンに交代した。

 続くワトソンは、こちらも極めて高いアベレージでラップを続けていく。100周、131周とピットインし、トリプルスティントに突入。ピットインタイミングも良好で、表彰台が確実に見えてくる展開となっていった。

 ワトソンは162周まで走りきり、しっかりと自らの役目をこなすと、ステアリングをアンカーの藤井に委ねた。各車がピットインを終えた166周目、ついに藤井の順位は2番手に。このままポジションを守り切りたいところだが、後方から#98 アストンマーティンを駆るアウグスト・ファーフス選手が接近してきた。藤井はタイヤが左2本交換の作戦で、#98 アストンマーティンがみるみるうちに背後に迫ってくる。

 しかし、ここで藤井は日本のトップドライバーとしての実力をみせていく。相手は世界中のレースで戦い、2020年にはIGTCの世界チャンピオンにもなったドライバーだが、藤井は絶妙のラインどりをみせ、そう簡単にはオーバーテイクを許さない。総合首位がファイナルラップになったとき、アスカリシケインからついにファーフスが藤井の横に並ぶが、パラボリカで藤井はインを守ると、メインストレートから第1シケインにかけ2番手を死守! 国際映像も絶叫の好バトルをみせた。しかしファイナルラップ、クルバ・グランデでふたたびファーフスは藤井に並ぶと、第2シケインで藤井をかわしていく。最後までファーフスを追った藤井だったが、結果は3位。それでもD’station Racingにとっての初めてのWECでの表彰台で、藤井の好バトルとともに大きな賞賛が世界中から寄せられることになった。

 いよいよ続く第4戦はル・マン24時間。チームはこの勢いのまま、難攻不落の世界三大レースの舞台へ挑んでいく。

D'station Racingの777号車アストンマーティン・バンテージAMR GTE
D’station Racingの777号車アストンマーティン・バンテージAMR GTE

COMMENTS:

Driver:Satoshi HOSHINO
WEC世界耐久選手権への挑戦が私にとっても、チームにとっても大きな目標のひとつでしたが、まさかここモンツァで、本当に表彰台に登れることになるとは。大変嬉しく思っています。また今回は歴史ある伝統のコースであるモンツァを初めて走行しましたが、非常に感動致しました。難しいコースではありますが、私個人としても納得がいく走りができたと思っています。その上で、結果的に表彰台に登ることができたので、これ以上ない最高の週末になったと思っています。次戦はいよいよル・マン24時間耐久レースです。言うに及ばず重要なレースとなりますので、チームが一丸となり頑張っていきたいと思います。ご声援よろしくお願い致します。

Driver:Tomonobu FUJII
2021年から参戦を開始したWEC世界耐久選手権への参戦3戦目で、表彰台を獲得することができました! チームスタッフ、メカニック、そして素晴らしいストラテジーを立ててくれた平野亮ディレクター、さらに星野敏選手、アンドリュー・ワトソン選手と、すべての力がこうして素晴らしい形で結果に繋がり、とても嬉しく思っています。個人的にも、結果的には3位となってしまいましたが、終盤のアウグスト・ファーフス選手とのバトルを含め良いバトルをいくつかすることができ、今後にも繋がるレースになったのではないかと思っています。次戦のル・マン24時間も非常に楽しみにしています。今回も皆さま応援ありがとうございました。

Driver:Andrew WATSON
この週末は本当に素晴らしい結果を残すことができたね。僕のキャリアのなかでも最高の一日のひとつになったし、D’station Racingの参戦開始から3レース目で表彰台を獲得できたのは、本当に素晴らしいことだと思うよ。今回もライバルは速かったけれど、チームの最高の仕事でマシンの調子はすごく良かったし、星野サンは本当にすごい仕事をしたね。モンツァは初めてだったにも関わらず、そのスピードはとても印象的だった。今後も楽しみだし、可能性を感じているよ。チームのすべてのみんなに感謝しているし、今季僕にチャンスをくれたD’station Racing、TF SPORTに感謝している。ル・マン24時間でもコンペティティブであることを願っているよ!

Team Director:Tom FERRIER
D’station Racingにとって、参戦3戦目となるモンツァで、WEC世界耐久選手権で初めて表彰台を得られたことは、実にファンタスティックな結果と言えるだろう。素晴らしい結果を成し遂げることができたと思う。この結果に結びついた要因とも言えるのは、星野サンがこの週末、初めてのコースだったにも関わらず週末で大変な進歩を遂げたことだと思う。それに藤井サンもファンタスティックなバトルをみせてくれたね。このレースで得られた結果は、シーズンのハイライトであるル・マン24時間に向けて最高のきっかけになると思っているし、次戦のル・マンを大いに楽しみにしているよ。

DSR Technical Director:Ryo HIRANO
WEC世界耐久選手権の参戦初年度に3位表彰台と、最高の結果が得られてよかったです。今回は初日のフリープラクティスから良い感触で、予選でも星野選手が初めて走行するモンツァで、練習も少ないなかで良い走りをしてくれました。また決勝は、星野選手はダブルスティントを、アンドリュー選手はトリプルスティントをこなしてくれましたし、何より最後の藤井選手の熱い走りにはしびれました。WEC参戦3戦目で、ドライバー、エンジニア、メカニックの絆がどんどん深まっているのを感じましたし、何より次戦のル・マン24時間に向け、チームがひとつになり戦う準備が整ったのではないかと思います。

Chief Engineer:David BREWER
フリープラクティス1から今季培ってきたセットアップが良く、2回目、3回目でさらにそれを進めることができた。予選でも星野サンが良い走りをみせてくれたと思う。決勝レースでは我々は良い戦略を進めることができ、藤井サン、星野サンも素晴らしい走りをみせてくれ、レース中盤はアンドリューがトリプルスティントをこなす良い仕事をしてくれた。ファイナルスティントの藤井サンの最高のバトルもあったし、惜しくも2位は獲れなかったが、3位表彰台はD’station Racing、そしてTF SPORTにとってル・マン24時間に向けた最高にはずみがつく結果になったと思っているよ。

3位表彰台を獲得した藤井誠暢、星野敏、アンドリュー・ワトソン
3位表彰台を獲得した藤井誠暢、星野敏、アンドリュー・ワトソン

D'station Racingの777号車アストンマーティン・バンテージAMR GTE
D’station Racingの777号車アストンマーティン・バンテージAMR GTE

関連のニュース