「NASCARカップカーでル・マンに出場するという話を聞いた時、それは最高に面白そうだと思った。でも、テストで初めてクルマに乗り5周したところで『人生最大のミスをしたかもしれない』と少し後悔したよ」

 F1元世界王者のジェンソン・バトンは、笑いながらそう言った。「クルマがヘビーで、挙動も緩やかだったからね。でも、何周か走ってクルマに慣れてきたら、これが信じられないくらい楽しいんだ」。

■グリップが安定していた専用開発タイヤ

 100周年記念大会となる今年のル・マン24時間レースでは、賞典外の特別枠である『ガレージ56』に、NASCAR最新マシンであるシボレー・カマロZL1が招かれた。オーバルレース中心のNASCARと、過酷な耐久レースの頂点であるル・マン24時間では、競技の性質も出場するマシンに求められる特性も大きく異なる。

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