最終的にワン・ツーという戦果により、地元レースでマニュファクチャラーズタイトル6連覇を決めたTGR陣営だが、残るドライバーズチャンピオンシップでは首位8号車が133ポイント、2位7号車が118ポイントとなり、3位の51号車フェラーリ499P(アレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラド/アントニオ・ジョビナッツィ組)は102ポイントと、最終戦バーレーンでは2台による一騎打ちも期待される。

「そこは別にコントロールする必要もないし。普通にレースしていいんじゃないかと個人的には思います」と続けた可夢偉。

 その言葉には、フェラーリやポルシェを筆頭にプジョーやキャデラックなど百花繚乱の時代を迎えた今季のWECにあって、ドライバーとしてだけでなく代表として取り組んできたチーム作りに対する手応えも滲んだ。

「『トヨタしかいなかった』と言われる時代がやっぱりあって、そのときも僕たち『とりあえず転がしてた』わけじゃないよ、と。しっかりクルマを作って、人を鍛えて、ドライバーも鍛えて、それでここに今いて。(今季は)ル・マン以外を考えたら全部勝っていて、でも、クルマはそんな大きい差じゃない。じゃあそこが『何なの』かと言ったら、やっぱり本当に全ドライバーが安定して、速いクルマの限界を引き出せて、ピットストップも絶対ミスなく、戦略も、タイヤのチョイスもミスなく……こういう集大成が今の結果に表れてると思います。他のマニュファクチャラーがいない数年間、トヨタとして『何でやってるの?』と言われてきたかもしれない。でも、その意味は今ここで証明されているんじゃないかな」

9月10日の決勝日、富士スピードウェイの空は晴れ渡った
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