WEC世界耐久選手権の最高峰ハイパーカークラスには現在、ご存じのとおりトヨタGAZOO Racingから小林可夢偉と平川亮、ふたりの日本人ドライバーが参戦している。そして、数少ない“アジア籍”のドライバーとしてはもうひとり、ハーツ・チーム・JOTAからイーフェイ・イェがこのクラスで戦っている。
イェは中国・西安生まれの23歳。一昨年末、ポルシェ・モータースポーツ・アジア・パシフィックのセレクテッド・ドライバーとしてポルシェと契約し、今季はポルシェ963のカスタマーチームであるJOTAがシーズン途中から最高峰クラスにステップアップしたことに伴い、38号車ポルシェ963をドライブしている。
果たして彼は、どのようにしてスポーツカー最高峰まで上り詰めたのだろうか。日本とも縁が深いというこれまでのキャリア、そして避けては通れない2021年ル・マン24時間レースでの“悪夢の最終ラップ”などについて、WEC第6戦富士の現場で聞いた。
■15年前に「ようやく普通の人がレースできるようになった」中国の事情
まずは本人に漢字で名前を書いてもらった。イェ・イーフェイの漢字表記は『叶一飞』。サインもこのように書いているという。ちなみにこれは簡体中国語というもので、日本で使われている漢字にすると『葉一飛』となるようだ。
さて、彼はどのようにしてレースを始め、ヨーロッパで頭角を表すようになったのだろうか?
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