佐藤がピットに入ったことで見た目上のトップに戻ってきたのは阪口。その後ろには岩佐歩夢(TEAM MUGEN)がつける。

 阪口はレースも後半に入った19周終了時点でピットイン。岩佐は最後までタイヤ交換のタイミングを引き延ばし、26周を終えてピットへと向かった。すでにタイヤ交換を済ませた後続とそん色ないタイムを出すラップもあったが、上位で戻ってこられるだけのマージンを広げることはできず、福住の背後、7番手でコース復帰することに。

 タイヤが冷えている間に阪口、牧野、松下信治(TGM Grand Prix)に先行されたものの、アウトラップを終えるとフレッシュタイヤの利を活かして一気に追い上げる。1周前に交わされた牧野に近づいていくと、スプーンカーブでアウト側から豪快に牧野をオーバーテイク。そのまま松下にも迫っていった。

 岩佐のピットインで見た目上でもトップに戻ってきた野尻は、山下との差を3秒以上に広げて残り5周を走り切り、最後は悠々トップチェッカー。2021、2022年と連覇した実力者が圧巻のレース運びでシーズン初戦を勝利で飾ることとなった。

 2位は山下。終盤は山本に接近され、最終ラップはお互いにOTSを使い切りながらの戦いとなったが、最後まで2位のポジションを守り切り、昨年の開幕戦以来となる表彰台を獲得した。3位の山本は怪我からの復帰戦で表彰台獲得。13周目に記録した1分39秒287で全体のファステストラップも獲得している。

 4位はピットイン後、チームメイトを逆転した太田。序盤に2番手を走行していた佐藤は5位。以下、福住、阪口、松下、岩佐、牧野というトップ10オーダーとなった。ルーキー勢は、木村偉織(San-Ei Gen with B-Max)が12位、Jujuが17位、コースアウトするシーンも見られたテオ・プルシェール(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は18位でSFの初陣を終えている。

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