第5戦 モビリティリゾートもてぎ

2024年8月25日(日)
決勝
天候:晴れ 路面:ドライ

#38 阪口晴南
決勝:リタイア
#39 大湯都史樹
決勝:6位

 事前には雨の予報がありながら、暑さのなか行われた8月24日(土)の公式予選。VERTEX PARTNERS CERUMO・INIGNGは大湯都史樹が超僅差のなか3番手を獲得する一方で、阪口晴南はトラブルもあり、11番手という予選順位で終えていた。

 迎えた8月25日(日)の決勝日もモビリティリゾートもてぎには雷雨の天気予報が出ており、どんなコンディションになるかは予想もつかなかった。そんな決勝日に向け、チームは前日の予選後からどんなシチュエーションになろうともしっかりと対応するべく、準備を進めていった。

■PRACTICE フリー走行

8月25日(日) 9:10~9:40 天候:曇り 路面:ハーフウエット/ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分35秒137/#39 大湯都史樹 1分35秒245

 前日の公式予選の後、モビリティリゾートもてぎには洪水警報が発令されるほどの激しい雷雨が降り、その雨は夜半まで続いた。ただ一夜明けた8月25日(日)のもてぎは薄曇りながら陽が差す天候となった。

 路面は全体的に乾いていたとはいえ、前日の雨の影響でコース上はわずかに濡れていた部分もあり、9時10分からの決勝日のフリー走行を前に、ウエット宣言が出されていた。

 そんななかVERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGは、コースオープンとともに阪口晴南、大湯都史樹がともに走行をスタート。前日トラブルもあった阪口は、二度のピットインを経ながら10周目に1分35秒137を記録。9番手でセッションを終えた。

「それほど悪くはなかったと思いますが、上位とは差を感じました」と阪口。ただ、前日の予選後には、アタックのフィーリングからの気づきもあったという。

「予選で失敗してしまったところがあったのですが、そこで“怪我の功名”で分かったところがあったんです。具体的にはフロントまわりのセットアップなのですが、それが決勝にも活きると思います」と阪口はレースへの手ごたえを語った。

 一方、レースでは3番手からスタートする大湯は「あまり調子は良くなかったです」というフリー走行となった。3周目に1分35秒245というタイムを記録し12番手で終えたが、「理由があって、予選から大きく変更せずに臨みました。前戦のペースが良かったので、それを基本として戦いたいと思います」と大湯は決勝に向け語った。

 それぞれに課題と手ごたえを得たフリー走行。ただ前日同様、決勝レースでは雷雨の予報もあった。チームはあらゆる可能性を視野に入れながら準備を進めた。

VERTEX PARTNERS CERUMO・INIGNG 2024スーパーフォーミュラ第5戦もてぎ 決勝レポート
阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING) 2024スーパーフォーミュラ第5戦もてぎ

■RACE 決勝レース

8月25日(日) 14:40~15:44 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分35秒767(13L)/#39 大湯都史樹 1分35秒151(12L)

 心配された雨雲は見えないまま、14時40分に迎えた決勝レース。気温33度/路面温度37度という暑さのなか、1周のフォーメーションラップを経てスタートが切られた。

 3番手からスタートした大湯は、自身としては悪くない発進だったものの、抜群のスタートを決めアウト側から襲いかかった#5 牧野任祐に先行を許してしまい、4番手に後退してしまう。一方の阪口は11番手から好スタートを切り、9番手に浮上しオープニングラップを終えた。

 序盤、緊迫した接近戦が展開されていったが、大湯は4番手に。一方阪口は9番手から前を行く#8 福住仁嶺をかわそうとするも、これを抜けず逆に#36 坪井翔に先行を許し10番手でレースを進めていく。大湯は3番手の#5 牧野から大きく離されるわけでもなく、また阪口も僅差の集団のなかでの戦いを展開していった。

 チームはそんな展開を見ながら、早めにピットインしクリーンエアのもと走るアンダーカット作戦を採った。まずは10周を終え大湯をピットに呼び戻すと、翌周には阪口をピットインさせていった。上位陣のなかでも戦略は分かれており、先にピットインしたVERTEX PARTNERS CERUMO・INGING勢は作業を終えたなかで2番手、5番手につけていたが、どちらもわずかにピット作業にロスがあったことから、タイムを失ってしまっていた。

 そんななか、レース後半に向けて戦いを進めていたチームに衝撃が走った。17周目、4コーナーに向けて立ち上がっていた阪口が力なくスローダウンしてしまったのだ。原因は電気系トラブル。阪口は2戦続けてのリタイアという悔しい結果となってしまった。

 そんな阪口の悔しさを晴らすかのようにレース終盤に向け戦いを続けていたのは大湯だったが、後半にピット作業を行ったライバルたちが、フレッシュなタイヤの状態を活かし続々と大湯の後方に迫ってきた。

 25周目、序盤から大湯を先行していた#5 牧野がコース半周近くに渡るバトルの末、大湯をオーバーテイク。さらに27周目、序盤トップを走行していた#3 山下健太も大湯をかわしていった。今回はペースが厳しく、またレース序盤にピットインしていた大湯はタイヤが消耗しはじめており、防戦一方の展開に。28周目には#16 野尻智紀に、30周目には#64 山本尚貴にかわされてしまい、大湯は6番手にドロップ。そのまま37周のレースを終えることになった。

 今回は表彰台に届くレースペースをみせることができなかった大湯。そして2戦連続でトラブルに見舞われてしまった阪口と、VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGにとっては課題が見える一戦となった。

 シリーズは残り4戦。優勝を目指すことができるチャンスは少ない。チームは次戦へさらなる改善を目指していく。

VERTEX PARTNERS CERUMO・INIGNG 2024スーパーフォーミュラ第5戦もてぎ 決勝レポート
2024スーパーフォーミュラ第5戦もてぎ 大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)

■COMMENTS ドライバー/監督コメント

#38 阪口晴南 SENA SAKAGUCHI

「消化不良なレースになってしまいました。スタートは良くて、以前得意としていた状態に戻すことができました。序盤、福住選手を抜こうとして坪井選手に逆に抜かれてしまったのは反省点で、その後はペースも良くありませんでした。また無線のやり取りや戦略も納得できないものになってしまいました。ピット作業も練習から不安な感じがあり、それが出てしまったように感じています。チームともしっかり話し合って一丸となって取り組んでいきたいですね」

「レースは攻めたセットで臨みましたが、問題は別なところにもあるように感じています。結果的にトラブルが起きてしまいましたが、そこはもうチームの皆さんを信頼して次戦臨むしかないと思っています」

#39 大湯都史樹 TOSHIKI OYU

「スタートでは牧野選手に先行されましたが、僕としてはスタートは得意な方ですし、今回も自分としても、チームとしてもミスをしていないものでした。これについては牧野選手が良かったということだと思います。午前のフリー走行からレースペースは厳しくなるだろうと思っていましたが、結果的に良くなってはいたものの、その予測に近いものになってしまいましたね」

「今回は6位でしたが、ピットでのミスもあり、それでアンダーカットのマージンがなくなってしまいました。改善しなければいけないところはたくさんあると感じています。今回の現実をしっかりと受け止めて、改善できていないところを見つめ直し、次戦に臨んでいきたいと思います」

立川祐路 監督 YUJI TACHIKAWA

「大湯選手については、ロングランのペースが足りなかったことが響いてしまったと思います。ピットでもロスがありましたしね。予選一発の速さについてはかなり安定してきていますが、今後決勝レースでのペースは改善しなければいけないと思います」

「また阪口選手については、残念ながらまたしてもトラブルが出てしまいました。原因はまだ調べていますが、昨日とは違うものでした。とはいえ、このところトラブルが続いてしまっているので、次戦までにクルマをしっかり見直さなければいけないと思います。今回はまた反省すべき材料が多かったので、次戦の富士に向けてきちんと見直していきたいと思います。応援ありがとうございました」

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