1日のテストを終えてメディアミックスゾーンに登場した小山は「セッションが終わった直後は『この機会をもらえて良かったな』と思えたと同時に、(1分)37秒台に届かなかったことが悔しくて……『ありがとう』と『悔しい』が入り混じった涙が出ました」とコメント。1分37秒台を出したかったという想いが強かったようだ。
「今日最初に乗ってみた感触だと『最終的に(1分)37秒台はいきたい』と思っていました。最後のアタックに入る前に(1分)38秒台に入れていたかったですけど、それまでにニュータイヤを履いたタイミングで赤旗が続いていました」
「コースアウトやクラッシュなく走り切ったところなども周りの皆さんがちゃんと見てくれていて『まだまだ先(タイム更新の可能性)はあるね』と言ってもらえました。評価は周りがすることなので、そう言ってもらえたことが良かったです」
「そもそも(テストに)乗れなければ、そんな経験や結果も生まれなかったこと。自分の人生の中で一番速いクルマに乗れて、この鈴鹿を走れました。今まで応援してくれた皆さんも日程合わせて来てくれたりしたので、皆さんの前で走れて良かったです」
彼女にとってはまさに夢が叶ったと表現しても良いような1日。「充実した1日になりましたか?」と聞くと、(筆者が目頭を熱くしていたらしく、それにつられたそうだが)小山が思わず感極まるシーンがあった。
「F4の時から取材してもらっている皆さんに囲んでもらって『この取材ってF4ではなくて、スーパーフォーミュラなんだな』と思っていたら……」
とめどなくあふれる涙を拭いながら、小山はこう続ける。
「正直、乗る前は『最初で最後かな』と自分でも覚悟して、みんなに(テストで乗ることを)報告していました。親も呼びましたし、なかには仕事を休んで見に来てくれていた人もいました。こうやってチャンスをもらえて走ることができて、本当に感謝しかないです」
「あとは今回の機会を作ってくれた人がたくさんいるので、そういう人に恥をかかせないような走りをしなきゃいけないなと思っていました」
もちろん、今回テストに参加したことで今後参戦の可能性が出てくるかどうかは難しいところではあるが、彼女自身のなかでは『次はもっとこうしてみたい』という想いが出ているのは確かなようだ。
「自分にとっては乗れることだけでも本当にありがたいことです。だけど、いざ乗ったら……レースに出たいし、もっと乗りたいです」
「いまが2秒落ちなので、ここから詰めていくのが大変だと思います。そういう過程を踏んでいきたいし、そこからのステップが本当の勝負だと思うので、そこをやってみたいなと思いました」
「今年はいろいろな人のおかげで本当に良い経験ができたので、これ以上のものはないです。本当に感謝しています」