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投稿日: 2018.03.27 06:00
更新日: 2018.03.27 14:58

ヨコハマのソフトタイヤ、ドライバー評は千差万別。スーパーフォーミュラの混戦要因に

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スーパーフォーミュラ | ヨコハマのソフトタイヤ、ドライバー評は千差万別。スーパーフォーミュラの混戦要因に

・大嶋和也/UOMO SUNOCO TEAM LEMANS(3月13日午前のテスト走行後)
「感じているグリップが、思いのほかタイムに反映されていないんです。セットアップにもよると思うんですが。ソフトでバランスが悪いとミディアムの方が速かったり。ソフトはフィーリングとしてグリップ感は高いけど、使いこなすのがすごく難しいですね」

「ソフトで速いクルマとミディアムで速いクルマがばらばらで、ドライバーによってはミディアムでソフトと変わらないくらいのタイムで走ったりもする。ミディアムでは遅いのにソフトで速く走るドライバーもいますから、両方のタイヤをきちんと使いこなせるクルマを造らないといけないと思います」

・塚越広大/REAL RACING(3月13日午前のテスト走行後)
「ソフトタイヤに関しては、いいところが1周しかないですね。アタック2周目だとグリップダウンしちゃう。ミディアムの方がアタックしたときにもちますが、ソフトの方がタイムは出ます。使い方が難しいです。乗り心地としてはソフトが好みなんですけど、ライフがもたない。いかに使えるようにするかが課題です。グリップは急激にガクンと落ちますね」

・山下健太/KONDO RACING(3月13日午後のテスト走行後)
「セットアップが詰め切れてなくて、ミディアムとソフトも僕には現在、どちらも合っていない状態です。ソフトは、2017年のタイヤよりもタレそうでグリップは高そうという感じはあります。ミディアムとソフトの違いはそんなに感じません。コンディションにもよるかなという感じです。ソフトでロングランしましたが、合計10周くらいで終わりました。グリップは少しずつ落ちますが、一回滑り始めると終わっちゃいますね」

・千代勝正/B-MAX RACING TEAM(3月13日午後のテスト走行後)
「ソフトだと、1発のタイムを出そうとすると1周で終わってしまい、2周目は少しリヤのグリップが落ちるように感じましたね。クルマのバランスもあるのかもしれませんが、2周続けてアタックは難しいと思います」

第1回公式合同テストで2日間総合トップタイムをマークしたのは可夢偉
第1回公式合同テストで2日間総合トップタイムをマークしたのは可夢偉

■各陣営が特性をつかむまでは混戦に……!?

 こうしたドライバーの声について「たしかに、ポジティブなコメントのドライバーとあまりフィーリングが良くない、タイムが出ない、というコメントはあります」と認めた上で、秋山氏はこう語る。

「僕らもまた、タイヤの特性をつかみきれていないところがあります。クルマ側のセットと路面状況の組み合わせのなかで、いろいろなフィーリング、タイムを含めていろいろな結果が出ているのだと思います。セッティングを詰めていくと、ある程度のところには収れんしていくのだと思いますが」

「いずれにしろ、特性の違うふたつのタイヤは、レース戦略やドライバーのタイヤマネジメントといったレースの演出になるでしょう。今回のタイヤに対しては、まだチームも戸惑っているところがあるのだと思います」

「じつは現在のミディアムは昨年構造変更したのですが、はじめから好意的に受け入れられたわけではありませんでした。それを1年間かけてチームが特性、使い方を見極めてくれたんだと思います。なので、今年のソフトタイヤも、走行を重ねるなかでタイヤの特性を見極めて、上手に使ってくれるのではないかと期待しています」

 秋山氏の語るとおり、現在のミディアムについては各チームが特性をつかみ、いち早くつかんだチームがシーズンをリードしていくが、同時に全チームがつかみ出すと、“ある程度のところに収れん”してレースはある種の膠着状態に陥る。

 2018年に導入されるソフトタイヤは、現在インプレッションがさまざまであるとおり、少なくとも序盤戦まではレースを盛り上げるスパイスになることは間違いなさそう。ちなみに、ソフトタイヤのグリップの落ち込み方については、いわゆる“クリフ”があるとするドライバーもいる。スーパーフォーミュラルーキーとして参戦し、昨年までFIA F2やGP3で戦った松下信治、福住仁嶺にとっては、ある意味ピレリの“クリフ”を知っていることが有利に働くかもしれない。


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