そして17周目、千代勝正(B-MAX RACING TEAM)とジェームス・ロシター(VANTELIN TEAM TOM’S)が接触してコースアウト。2台ともマシンがランオフエリアで止まったため、セーフティーカーが導入されることとなった。このタイミングで山本、平川らがピットインした一方、可夢偉はステイアウト。このピットインのタイミングが、明暗を分けた。
この時点で、ピットインを行っていないのは可夢偉、国本、松下、石浦、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、伊沢拓也(TCS NAKAJIMA RACING)。可夢偉と国本はソフトタイヤスタート、それ以外はミディアムタイヤスタートだ。
23周目でセーフティーカーランが終了し、24周目からレース再開。ここで可夢偉が抜群のリスタートをみせ、トップを守る。可夢偉は1周で約1.5秒の差を築くと、ふたたび2番手以下を引き離しにかかった。
2番手国本、3番手松下、4番手石浦、5番手関口。しかし可夢偉はいまだピット作業を行っておらず、トップを守るにはかなりのマージンを築かねばならない状況。可夢偉は27周目に1分7秒781のファステストをマークすると、アドバンテージを広げにかかる。
その後方ではすでにピットインを終え、ミディアムタイヤに履いた山本が猛チャージ。関口を交わして5番手に浮上する。セーフティカー導入直後にピットインした山本は可夢偉と実質的なトップ争いを演じる相手。山本は可夢偉と同等のペースを刻んで、可夢偉は思うようにマージンを広げられない。
さらにレース中盤、6番手の関口と塚越が激しいポジション争いを繰り広げる。このふたりはテール・トゥ・ノーズのバトルを展開していたが、塚越がついに関口とらえる。関口はその後、一貴、キャシディにも交わされて9番手に順位を落としている。
この時点でトップは可夢偉、2番手国本、3番手松下、4番手石浦。ここまでがピットインを未だしていない状況だ。5番手はピット作業を終えている山本。可夢偉はソフトタイヤで周回を続け、レース折り返しをすぎた37周目で1分7秒933のタイムを記録する。
追う山本は少しでも可夢偉との差を詰めたいところだが、なかなかペースが上がらない。41周目のタイムは1分8秒931。逆に後方から塚越の追い上げを受けることに。ただ、この塚越はソフトタイヤスタートでソフトタイヤに交換していたため、もう一度ピットインしなければならない。山本は大きく抵抗することなく43周目の1コーナーで塚越に前を譲った。