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投稿日: 2019.11.05 14:24
更新日: 2019.11.06 21:15

スーパーフォーミュラの新顔19歳ビップス、自身好感触の初陣。ガスリー知る陣営も「及第点以上」

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スーパーフォーミュラ | スーパーフォーミュラの新顔19歳ビップス、自身好感触の初陣。ガスリー知る陣営も「及第点以上」

 19歳にしては落ち着いた印象も感じさせるビップス、レース後にはチームのスタッフたちと早くも打ち解けて笑い合っている姿が印象的で、2年前のガスリーを見ているようにも思えた。レッドブル無限号には2017年のガスリーを知るスタッフも多い。前出の星エンジニアはまさにそのひとりだが、ビップスのデビュー戦についてはこう評価する。

「大変な状況での参戦ではあったと思います。それでも、レース終盤のペースについては良かったですし、あそこでついに慣れてきたというか、レース中にも彼自身、上がっていけていたんだろうと思います。金曜からドライで走れていたら、予選でももう少し前に行けたでしょう。やはり(金曜が雨で実質的に)テストなしはかわいそうですよね」

ユーリ・ビップスのスーパーフォーミュラデビューとなった金曜日はウエットコンディションに
ユーリ・ビップスのスーパーフォーミュラデビューとなった金曜日はウエットコンディションに

「クルマを大きく壊すようなミスはなかったですし、希望がもてる子だと思いますよ。今回の状況のなかでの及第点はあったと思います。良かったです」

 もうひとり、チーム首脳のひとり藤井一三氏にも訊いた。藤井氏もガスリーを知る人であり、長いキャリアのなかでガスリー以外にも多くの外国人チャレンジャーを知ってもいる人だ。

「及第点以上ではあったと思うし、シーズンを通して乗せたらいいところにいけると思う。こういう、いろんなデバイスがついたクルマは初めてだっただろうけど、走ることだけ見たら通用する。まだ19歳だし、慣れたら結構いけると思うよ」

 今回、ビップスは日本での知名度はほとんどない状態でやって来ての参戦だったが、なかなかの逸材ということがいえそうである。

 さて、ビップスのお国はエストニアだが、エストニアといえば日本のモータースポーツにとってはWRC世界ラリー選手権の2019年王者オット・タナクの印象が強い。ちょうどビップスがスーパーフォーミュラ初陣を飾った日にタナクがWRC王座初獲得を決めたのは何かの縁か。

 エストニアには今世紀初頭にWRCで活躍したマルコ・マルティンもいる。ビップスは、タナクはもちろんマルティンのことも「知っているよ。素晴らしいドライバーだ」と、ジャンルは違っても母国の偉大な先輩に敬意を表す。今のところは『ラリーに強い国』のイメージであるエストニアに、サーキットでも強い選手がいる、と実証できるか。来季以降のビップスの活躍を期待したい。

 なお、日本にとってエストニアといえば大相撲の元大関・把瑠都の存在感も大きいが、ビップスは彼については知らないようだった(聞き手が英語で相撲のことをうまく表現できず、意味が通じていなかった可能性もあるが…)。


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