「最終戦を終えた今の段階としては、まだまだやりたいことがたくさんありまして、それがみなさんのお役に立てるかどうかはこれからですけど、要はスーパーフォーミュラに関しては、ワンメイクタイヤの供給をするという、単にそれだけの作業にはしたくないんです」と熱い口調で話す秋山エンジニア。来季に向けた動きも、すでに開発は進んでいる。

「先日のSUGOでもエンジンテストの合間に両メーカーの開発車でタイヤをテストをしてもらって、そこで、来年に向けての構造もゴムも、いくつかの種類を試すことができました。それでいいもの、少しでもよいものがイベントに貢献できるパフォーマンスにあれば、それを量産してスーパーフォーミュラの仕様タイヤにするかもしれませんし、あるいは来年のもてぎが2スペックになる場合は、その時の引き出しのひとつになるかもしれません」

 来季はシーズンを通しての2スペック供給は難しようだが、もてぎなどいくつかのレースに限定しての2スペックの使用は検討しているようだ。スペック数が増えることでレース戦略は多様になるが、単純にタイヤがもっとタレてくれば、レース中盤以降でのオーバーテイク、ピットストップでのタイヤ交換という、順位変動のチャンスを生み出すことになる。

「来シーズンに向けたタイヤは、来年の3月の合同テストで同時に全チームに履いてもらうときに、全車分、そろうようなスケジュールで進めています。このシーズンオフは我々の引き出しを増やしておいて、最終的にレースでの仕様に落とし込めればと思います。いろいろ、開発は進行させています」

 今シーズン、復帰初年度を無事に乗り越えたヨコハマタイヤ。今季は大きなトラブルもなく、もてぎの2スペック投入など、新しいアプローチに積極的な点は、ファン、レース関係者の多くの共感を得た。スーパーフォーミュラの未来を文字通り、足下から支える存在として、来季はより、レースの魅力をアップさせるようなアプローチに取り組んでもらうことを期待したい。

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