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投稿日: 2020.12.06 03:24
更新日: 2020.12.06 03:45

JMS P.MU/CERUMO・INGING 2020スーパーフォーミュラ第5戦鈴鹿 レースレポート

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スーパーフォーミュラ | JMS P.MU/CERUMO・INGING 2020スーパーフォーミュラ第5戦鈴鹿 レースレポート

2020 SUPER FORMULA
JMS P.MU/CERUMO・INGING Race Report

第5戦 鈴鹿サーキット
気温15度 路面温度16度
◆12月5日(土)予選・決勝
天候:晴れ コース状況:ドライ
#38 石浦宏明 予選14位/決勝6位
#39 坪井翔 予選13位/決勝リタイア

 12月に入りいよいよ残り2大会3レースとシーズン終盤を迎えた。今回の鈴鹿ラウンドは、3日間のスケジュールで、金曜日の専有・フリー走行、土日に予選・決勝が2回開催され、これまでにないレースフォーマットだ。また、真冬のレースということで、1995年菅生大会以来のタイヤウォーマーの使用が許可された。シーズン終盤の新しいスタイルのレースウイークに各チームは奔走。予選のアタックの周回数や予選1セッションで2セットのニュータイヤを投入できるなど、タイヤウォーマーの使用は戦略の幅を広げることとなった。

●公式予選

 午前9時10分、気温15度、路面温度16度でQ1がスタートした。Q1 Aグループが石浦。10分のセッションがスタートし、最初からニュータイヤを投入した。タイヤの感触を掴み計測。1分36秒089をマークしピットに戻り再びニュータイヤに履き替えた。ウォームアップを経て計測2周目、トータル5周目で1分35秒800をマーク、6番手でQ2へ進出した。Aグループの6番手の石浦までがコースレコードを更新した。

 Bグループの坪井は、ユーズドでスタート。クルマの確認をするとピットに戻りニュータイヤを装着。ウォームアップを経て計測2周目で1分36秒010をマークして5番手と2台揃ってQ2へ進出した。

Q2

 10分間のセッションがスタートし、全車14台が一斉にコースイン。Q1よりもクリアラップを取ることが難しくなるのがQ2。クルマのフィーリングを確認した2台はピットへ戻る。残り3分を切ったところで、2台がコースイン。ニュータイヤでベストタイムを塗り替えて行くも、坪井が1分35秒782で13番手、石浦は1分35秒841で14番手と2台ともにQ3進出ならず。Q2で予選敗退となった。

2020年スーパーフォーミュラ第5&6戦鈴鹿 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
2020年スーパーフォーミュラ第5&6戦鈴鹿 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)

●決勝

 冬空も青く風が冷たく感じる13時15分、オンタイムにてフォーメーションラップがスタートした。タイヤを温める為にエクストラフォーメーションラップが2周設けられた。その際に止まってしまったクルマ、ピットに戻るクルマもあり、集中力を保つのが難しい幕開けながらも全車がグリッドについた。決勝は30周から2周減算され28周でスタートした。

 オープニングラップで64号車がコースアウト。マシン回収の為1度目のセーフティカーが入ることに。マシンの回収が終わると6周目でグリーンフラッグが振られリスタートとなった。

 39号車坪井は、13番手からスタートし、オープニングラップで9位へ。リスタート後、15号車の猛追を受けるも逃げ切る。10周が終了するとピット作業が可能になる為、ルーティンのピット作業に向かうクルマが多く、前が開けた為そのままステイし6位で走行。12周で5位。続々と前のクルマがピットに向かい14周で2位まで浮上。

 38号車石浦は、オープニングラップで11位へ。10周終了で39号車と同様にステイしたため8位。12周で6位、13周目で5位、14周で3位となった。

 この14周時点でトップ5号車から約10秒のギャップ。5号車は18周目にピットインし、1-2体制となった。18周目で50号車がクラッシュし、セーフティカーがすぐさま導入された。そのタイミングでピットに向かう2台。38号車は、セクター2で左リヤタイヤがバーストしてしまう。ピットに戻るタイミングとセーフティカーが同時になったものの、ピットに戻るのに時間を要した。

 39号車は6.8秒の速さでピット作業を終えると5位でコース復帰。ようやくピットに戻った38号車は、10位でコース復帰。22周が終了しセーフティカーがピットインし、23周目でリスタートとなった。

 石浦は、65号車をパスし9番手。23周目のホームストレートで4台のクルマが4ワイド状態で1コーナーに進入する際に接触があり大クラッシュ。そのなかに巻き込まれた1台が39号車。ここで、3度目のセーフティカーが導入された。

 39号車はこのクラッシュによるダメージが大きく、残念ながらこれによりリタイアとなった。ここで前にいた3台が戦線離脱となり石浦は6番手にポジションアップ。残り2周でレースが再開、石浦はこの荒れたレースを完走。14番手からスタートし最終的に6位でチェッカーを受けた。

 2台が下位に沈む残念な予選を経て諦めず6位でチェッカーの石浦、坪井は表彰台のチャンスまで掴みかけたが不運…と明暗を分けた第5戦。明日の第6戦も今日同様の予選・決勝のフォーマット。予選からの巻き返しに期待して欲しい。

2020年スーパーフォーミュラ第5&6戦鈴鹿 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
2020年スーパーフォーミュラ第5&6戦鈴鹿 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
2020年スーパーフォーミュラ第5&6戦鈴鹿 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
2020年スーパーフォーミュラ第5&6戦鈴鹿 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)

■コメント
#38 石浦宏明

「昨日は、良かれと思って今までやっていなかったセットアップを自分で進めてみましたが判断ミス。今日に向けてかなりリセットしました。予選のQ1で昨日に比べたら調子がいつものクルマのフィーリングに戻り、Q2もミスなくいってもポジションが14番手…。残念な予選になりました。2台ともにミスもなくクルマも問題ないのでチーム全体として苦しんでいるというのが正直なところです。今回2レースあるので、ひとつひとつ反省しつつ決勝を迎えました」

「決勝は、当初からみんな早めのピットを選ぶだろうと考え、誰かの後ろを走るとわからないことも沢山あると思い、ここは引っ張る作戦を取りました。2台とも単独走行になり坪井選手と逃げることになりましたが、ペースも良く手応えはありました。セーフティカーが出た周に、セクター2で右リヤタイヤがバーストし、完全にトレッドがなくなりスローダウンしてしまいました。後ろにいたKONDOレーシングの2台を先にいかせたかったのですが、セーフティカーが入ったのでそれもできず、迷惑をかけてしまったと思います」

「どうにかピットに戻りかなりポジションダウンしたと思ったのですが、コース復帰した際は10位で気持ちを入れ替えました。終盤65号車を抜いて9番手になり、その後、4ワイドからの3台クラッシュもありましたが、14位スタートを考えればセーフティカーとおなじタイミングのバーストなど助けられたこともあり流れとしては追い風だったと思います。明日は予選でもっと上位に行かないと表彰台に届かないので、このあとしっかり分析して明日に備えたいと思います」

#39 坪井翔

「今年だいぶ良くなって来たと思っていたのですが、そこを含めて鈴鹿で活かそうと挑みました。なかなかうまくいかず、またそれ以上に周りが速くなっていて、まだまだギャップがあります。セクター1は速く、セクター3が顕著に遅いのは今までなかった傾向ですが、そこにヒントがあるのかと予選に挑んでみましたが、改善できないままQ2敗退となりました」

「決勝は13番手からのスタートだったので、作戦の幅はありませんでした。思ったよりもみんなが早々にピットに入り、周りに誰も居なくなったことで引っ張る作戦にしました。そこからのペースはトップと遜色ないタイムだったのは確認でき、それは収穫だったと思います。セーフティカーが出たタイミングに、シケインでほかのクルマに引っかかりタイムロスがありました」

「引っ張ってピットに向かい5番手でピットアウト。これはリタイアしたクルマなどもありますが、作戦的には良かったと思います。この時点から自分だけがフレッシュタイヤだったので抜くチャンスもあると思い、残り6周で仕掛けたりもしました。その後、1コーナーで15号車がこちらに迫って来て4ワイドになり接触リタイアとなってしまいました」

「前戦も表彰台が見えるレース展開だったし決勝ペースも良い感触があるというのに、速さがなくてダメなら諦めもつきますが自分のこと以外で結果に結びつかなかったので残念でした。あとは予選でもっと前にいかないといけないし、なにかアクシデントに巻き込まれるのは、下位のポジションにいる自分が悪いと思います。明日は課題のセクター3、4をクリアし、来シーズンは鈴鹿が速く走れるようになったと言えるよう、何か見つけたいですね」

立川祐路監督

「予選は、トップを狙える速さはなかったけれども13、14番手というのは、思ったよりも厳しい結果となりました。決勝はなんとか追い上げられるよう2台で頑張りました。坪井の方は決勝のクルマの状態も良くて、ペースも良さそうで、当初早めにピットにいれる作戦でしたが、みんな早めにピットに入り前が開けたことで急遽引っ張る作戦に変更しました。2度目のセーフティカーが入ったときにピットにいれました」

「予選を考えるとスタートポジションからかなり上位に居られる予定だったし、上位陣で一番フレッシュなタイヤで戦えるのでチャンスはあったはずでしたが、最後はストレートの4ワイドのなかで行き場がなくなりどうにもできなかったですね。表彰台を狙える状況だったのでとにかく残念です」

「石浦は、坪井の後ろでおなじように走れていたのですが、セーフティカーが介入するタイミングで、タイヤにトラブルが出てしまい、ピットに入るまで時間がかかりポジションは後方になってしまいました。荒れたレースを最後まで走れたことで6位はまずますの結果ですね。明日も、おなじように予選決勝と続くので、まずは予選で流れを変えられるようにこれから明日に向けて準備をしたいと思います」

2020年スーパーフォーミュラ第5&6戦鈴鹿 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
2020年スーパーフォーミュラ第5&6戦鈴鹿 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
2020年スーパーフォーミュラ第5&6戦鈴鹿 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
2020年スーパーフォーミュラ第5&6戦鈴鹿 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
2020年スーパーフォーミュラ第5&6戦鈴鹿 立川祐路監督(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
2020年スーパーフォーミュラ第5&6戦鈴鹿 立川祐路監督(JMS P.MU/CERUMO・INGING)


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