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投稿日: 2022.04.11 10:41
更新日: 2022.04.11 11:50

トヨタ 2022スーパーフォーミュラ第1戦/第2戦富士 レースレポート

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スーパーフォーミュラ | トヨタ 2022スーパーフォーミュラ第1戦/第2戦富士 レースレポート

 10日(日)も好天に恵まれ、午前10時25分から行われた第2戦の予選開始時には、前日に比べ風も弱まり、気温21度、路面温度30度とやや暑さも感じるような陽気となりました。

 第1戦の結果によりQ1のグループ分けが決定され、2グループに分かれて実施。A組では、ライバルよりもやや遅れて残り5分ほどでアタックへと向かった坪井が1分21秒987と好タイム。これを上回る速さを見せたのが宮田で、1分21秒843をマーク。その後ライバルにかわされるもこのセッション2番手。坪井は4番手、前日第1戦で厳しい予選となった山下は1分22秒100のタイムながら5番手でQ2進出を決めました。

 多くの車両が2周アタックを行いましたが、アタック2周目の最終セクターではタイムが伸びず、タイヤのマネージメントが難しい予選セッションとなりました。前日の第1戦で4位フィニッシュを果たした関口はまさかの8番手、国本が11番手に終わり、Q2進出はなりませんでした。

 B組では、A組に比べると各車ややタイムが伸び悩む中、1分21秒729というタイムを叩き出したフェネストラズがトップタイム。1分22秒001のアレジが3番手、1分22秒207の平川が4番手。1分22秒279の小林が5番手でQ2進出。阪口が8番手、大嶋は10番手でQ1敗退となりました。

 7分間で争われるQ2では、山下とフェネストラズが1分21秒台に入れると、小林もこの間に割って入るタイム。平川がそれに続くタイムをマークしたところで、宮田がこの4台を僅かにかわしてトップに立ちました。しかし、ライバルが宮田を上回るタイムを叩き出し、ポールポジション獲得はならず。

 宮田が2番手、そこから僅か0.05秒差ながら山下が5番手。小林6番手、フェネストラズ7番手、平川8番手と、この3台も0.04秒差の中に入る僅差の予選となりました。アレジが10番手、坪井が11番手のグリッドを獲得しました。

■第2戦決勝

 予選の後、サーキットの路面は強い日差しに照らされ、気温23度、路面温度32度と、昨日以上の暖かさとなった富士スピードウェイで、14時30分に第2戦決勝レース(41周)のスタートが切られました。

 スタートでは最前列2番手グリッドの宮田が好スタートを決めポジションをキープ。3番手グリッドの車両がエンジンストールを喫したことで、その後にいた5番手グリッドの山下はこれを上手くかわして3番手へ、6番手スタートの小林が4番手、フェネストラズが5番手、平川も6番手へと各車ふたつ順位を上げました。

 1周目のダンロップコーナー付近で後続車両が接触しストップ。これでセーフティカーが導入され、レースは仕切り直し。5周目に再スタートが切られました。

 この再スタートでは6番手につけていた平川が好ダッシュを決め、ふたつ前の小林に並びかけましたが、小林も絶妙なブロックでポジションを譲らず。一方、このバトルの後方につけていたフェネストラズは突然のトラブルに見舞われアドバンヘアピンでコースオフ。最後尾まで後退してしまいました。

 義務づけられているタイヤ交換のためのピットインが許可される10周目を終えると、4番手の小林を先頭に、8番手につけていたアレジらも先陣を切ってピットイン。ここで小林はピットアウトしようとしたところで後ろから来た車両に塞がれる形となり不運なタイムロス。この組ではアレジがトップ、小林が続く形でコースへと復帰しました。

 小林や後方から追い上げるライバルとバトルを繰り広げていた平川は、小林がピットインしたことで前が空きペースアップ。上位との差を詰めていき、18周目には3番手の山下をパス。

 抜かれた山下は19周を終えたところでピットイン。ピットを終えたグループでの最上位を走っていたアレジの前でコースに復帰すると、2台は激しいバトルを展開。アレジは無念のハーフスピンを喫し後退し、山下がこの争いを制しました。

 22周目を終えたところで平川がピットイン。ピットクルーの素晴らしい作業でコースへと復帰した平川は、山下よりもかなり前方の、ピット終了組トップでコースへ復帰しました。

 この時点で首位の車両はまだピットに入っておらず、平川はこのライバルとの見えないタイムバトルとなりましたが、交換したばかりの新しいタイヤを活かし、1分23秒台に入れるファステストタイムを叩き出し、その差をどんどん詰めていきました。

第2戦で3位初表彰台を獲得した宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
第2戦で3位初表彰台を獲得した宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)

 24周目を終えたところで、2番手を走行していた宮田、25周を終えたところで首位のライバルがピットイン。平川はこの間の猛烈な追い上げと早いピット作業に助けられ、宮田をパス。実質的な2番手で、前を1.6秒差で追う形となりました。

 ピットインを遅らせていた坪井が26周終了時、関口が29周終了時にピットイン。関口はピットを遅らせてタイムを稼ぐ作戦が効を奏し、アレジの前、6位でコースに復帰しました。

 その後、2番手の平川、3番手の宮田は首位の車両とほぼ変わらないハイペースで、3台は等間隔のまま周回を重ねることに。その後方ではややペースで苦しむ山下が後方から追い上げを受けながらも4番手を走行。

 今季より、実験的に導入されているスマートフォンアプリによってわかるオーバーテイクシステムの残り時間にも注目が集まりましたが、終盤上位勢の大きな順位変動はなく、平川は2位でフィニッシュ。宮田はファイナルラップでファステストラップを叩き出し、3位でフィニッシュし、スーパーフォーミュラでの初表彰台獲得を果たしました。

 山下は後続の猛追を凌ぎ切り4位でフィニッシュ。関口は16番手スタートから10ポジションアップの6位。アレジが8位、小林も9位でチェッカーを受け、ポイントを獲得しました。

2022スーパーフォーミュラ第2戦富士の暫定表彰式
2022スーパーフォーミュラ第2戦富士の暫定表彰式

■コメント

●carenex TEAM IMPUL 20号車 平川亮(第2戦終了時コメント)

「今日は昨日とはコンディションが変わっていました。予測はしていたのですが、予選で、クルマはうまく合わせ切れたと思うんですが、ドライビングで失敗してしまって、悔しい8番手に沈んでしまい、レースではしっかり挽回しようということで臨みました」

「スタートは良かったのですが、位置取りとかであまりジャンプアップできませんでした。とはいえそのあとはペースが良かったですし、ピット作業も素晴らしく、宮田選手を抜いて、野尻選手との差も詰められたので、今日の結果はピットクルーのおかげです」

「8番手スタートということを考えても、2位という結果は今日できたベストだと思いますが、まだまだ課題もありますし、再来週にはすぐ鈴鹿戦もあるので、しっかりとまた良い戦いができるように準備していきたいと思います」

●Kuo VANTELIN TEAM TOM’S 37号車 宮田莉朋(第2戦終了時コメント)

「今日は予選で2番手を取れて、決勝レースでも去年からずっと課題だったスタートを普通に決められるなど、そういった部分でも昨年の課題をしっかり克服できたと思います」

「昨日のレースでちょっとパフォーマンスがトップ3に比べると足りてないところがあって、それを改善すべく今日のレースに臨みましたが、結果としては3位ということで、予選からはひとつ順位を落としたものの、第2スティントではトップ2台についていけましたし、確実に前進していると思います」

「むしろ去年はこの順位にいることすらできなかったことを思えば大きな進歩だと思うので、この結果に満足するわけではないですが、少なからず前進していることを再確認できました。まだ残り8戦ありますし、引き続きチームとともに努力したいと思います。初めての表彰台に上ることができ、応援してくださった皆さまには本当に感謝しています」


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