■小林可夢偉(KCMG) 決勝リタイア
14番手スタートの可夢偉は、5周目の2コーナー、順位争いのなかで坪井翔と接触。ガードレールにクラッシュして、レースを終えてしまった。
「坪井のフロントウイングが僕のリヤタイヤに接触し、僕のタイヤが切れて、コントロール不能になってそのまま壁に行きました」
「たぶん、坪井はOTSを使ったんでしょう。僕はまだコーナーを出ていなくて、さすがにそこまで近いところにおらんやろなとは思いながら、一応気持ち(スペースを)空けていたんです。坪井は僕が気づいていると思っているけど、僕もそんなに簡単に『どうぞ』とはやらないじゃないですか。そしたら坪井は自分がちょっとダートに入って余計に引けなくなったのか、ポンと来て(当たってしまった)」
可夢偉自身、マシンへの感触は「良くなっている面もあるけど、もうちょっと行かないとまずいというのが正直なところ」だという。
「ウインドウがちょっと狭すぎて、合わせるのが結構大変ですね。あとはレースが、いまいち良くないです」
■坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING) 決勝13位
13番手グリッドからスタートした坪井は、前日の流れの悪さをひきずる決勝レースとなってしまった。
「本当に流れが悪い週末になってしまいました。フリー走行もロングランの確認ができず、ウォームアップでわずかに確認できアジャストしましたが、レースを走り出してみたら、やはりもう少しアジャストしたいところはありました」
「とはいえペースはそこまで悪いわけではなく、なんとかポイントを獲ろうとオーバーテイクを仕掛けましたが、2コーナーで小林可夢偉選手と接触してしまって。結果的にうしろにいた立場ですし、ペナルティももらってしまいました。本当にもったいなかったです」
「タイヤ交換後のペースはすごく良かったですし、何もなければポイントは獲れていたかもしれません。予選からこの流れが始まってしまったので、直さなければいけません」
ちなみに、坪井は予選日が27歳の誕生日。
「誕生日に絡むレースはだいたい良くないので、今回も意識しないようにしていたのですが……」
■山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING) 決勝14位
20番手からスタートした山本は、1周目の3コーナーでアクシデントに見舞われる。
「アウト側から結構まくってくる選手がいて、自分はスペースのあったイン側に位置していたのですが、外から別の選手に被せられたジュリアーノ(・アレジ)選手がイン側に寄ってきたところに僕が止まりきれず、ウイングを踏まれる形で当たってしまいました」
これにより山本は、セーフティカー中にピットインしフロントウイングを交換することとなった。
今回も予選最後列となかなか上位浮上の機会をつかむことができない山本は、何をやってもいい反応を示さない、マシンの“感度”に苦闘しているという。現在の状況と苦しい胸の内を、次のように吐露した。
「クルマの状況としては去年からずっとアンダーステアが直らなくて、それを回避しようと手を変え品を変え、いろいろやってはいるのですが状況がなかなか好転せず……。今回も良かれと思って持ち込んだセットが、正直外してしまっていたと思います」
「その状態からでも、これまでの経験を活かしていろいろセッティングを振って、方向性を見定めてやっていく、というのがセオリーだと思うのですが、そのセオリーどおりに組み立てたつもりでも(マシンに)感度がなく、何をやっても反応しなくて……。悪くなることもあるのですが、良くなることもなくて、かなり厳しい厳しい週末になってしまいました」
「正直、セッティングはこの2年でやり尽くしているとは思うんです。そう言ってしまうと、もう残されているのはドライバーということになってしまいます。自分でも『また次、頑張ります』と言えるチャンスがどんどん減っているのは感じていますし、タイトルを獲っているからといってこの先も乗れる(シートがある)ような甘い世界でないことも分かってはいるものの、ただ普通に走って周回遅れになってしまったのは、人生で初めてなので……ちょっとキツいです。もちろん、チームのみんなが一番キツいのですが、僕も『こんなはずじゃないのにな』という思いは持っているので……悔しいです」
