モータースポーツの原動力、それは人間の『熱意』であるとも言える。誰よりも速く走りたい、強いクルマを作りたいという想いが、すべての出発点。熱意を燃料にひとつのことに打ち込む人々が、モータースポーツ業界には多数存在する。この連載では、レースを心から愛する、そんなレース界の『一徹さん』たちに、熱量の源泉と実際の仕事ぶり、そして哲学を聞く。
第6回に登場いただくのは、全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦するDOCOMO TEAM DANDELION RACINGを率いる村岡潔代表だ。
チーム立ち上げに至る経緯と初期の苦労について語っていただいた前編に続き、この後編では国内トップカテゴリーへと参戦してからの波乱の道のり、そしてこのスポーツの将来について、話を聞いた。
■「うちみたいなチームが、一番末端にあっていい」
1999年、ダンディライアンは国内トップフォーミュラである全日本選手権フォーミュラ・ニッポンに参入した。しかし全日本ツーリングカー選手権(JTCC)同様、プライベートチームであるダンディライアンはプライベートチームならではの苦労を味わう。
「トップフォーミュラも大変でした。そもそもエントリーさせてくれませんでした。あの頃はJRP(日本レースプロモーション)とエントラントチームのオーナーたちが『新しいチームが入りたいと言っているけど、そんなわけのわからないヤツはダメだ』みたいな感じだったんでしょう。全然ウェルカムではありませんでした」
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