それだけに松田らが戴冠を果たすためには、ハンデ係数2倍の最終レースで、長距離ボーナスポイントがある次の第6戦鈴鹿1000kmでの好成績がマスト条件になりそうだ。
もちろんニスモもハンデはきついが、今季一連の鈴鹿でのテストでニスモは好調だった。テストなのでタイムや順位は見た目のものに過ぎない面もあるが、松田自身も「調子はよかった」と鈴鹿でのテスト内容を振り返る。
鈴鹿1000kmで優勝すれば、ポイントリーダーとして終盤2戦に向かうことができる。ただ、「鈴鹿では2リス(燃リス調整が2段階目)ですからね。考えたくないくらいタフな状況……(苦笑)。優勝までは難しいかな、と思います」
ハンデ数値82kgとなったMOTUL AUTECH GT-Rは、燃リス調整2段階(34kg分)+実ウエイト48kgの状態で鈴鹿1000kmを戦うことになる。さらに「46号車も調子いいですしね」と、同じミシュランユーザーのGT-Rで自分たちよりハンデ数値の小さいS Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲/千代勝正)の方が鈴鹿1000kmで上位を走る期待値が高いことも松田は示唆する。
しかしながら、鈴鹿1000kmでの好成績が王座奪還のマスト条件であろうことには松田も「そうかもしれません。ここでしっかり、大きなポイントを獲りたい」と頷く。そして「この(ポイント上位陣の)なかで最上位で終われるようにしたい」という現実的な目標を語った。「本当にタフなレースになると思いますけど、頑張ります」
“1000kmとしては最後”ということや、ジェンソン・バトン、小林可夢偉のスポット参戦など派手な話題も多い今年の鈴鹿1000kmだが、シリーズタイトルの行方を占う意味でも多面的に重要な一戦。なかでも松田/クインタレッリの“ランク上位最先着で大きなポイント獲得”の成否は、彼らが本当の意味でタイトル争いに加われるか否かを決める大きな分岐点となりそうだ。
