そのまま#3 GT−Rを追った立川は、32周を終えてピットにZENT CERUMO LC500を戻し、石浦にステアリングを託す。ハードめのタイヤで石浦は残りのスティントを走らなければならないが、タイヤのポテンシャルが高いうちに空いている場所を走れば、うまくポジションを上げられるという読みだ。
チームはいつもどおりの迅速な作業で石浦を送り出そうと試みるが、ここでわずかながら作業が手間取ってしまった。ロスタイムは10秒ほどだったものの、これが思わぬ遅れを生むことになってしまう。果敢にZENT CERUMO LC500をコースに戻した石浦の目前には、まだピットインを行っていないGT500の集団が現れてしまったのだ。
作戦どおりにペースを上げられない石浦の前には、ピット作業を終えたライバルたちが入ってきてしまう。前の#39 LC500に石浦は果敢にプレッシャーをかけていくが、なかなかポジションを戻すには至らない。さらに、終盤にはふたたび石浦の前には#3 GT−Rが、そして背後には#19 LC500がつけ、6番手争いの5台ほどの集団に巻き込まれていく展開となってしまった。
石浦は集団のなかでなんとか前を狙うべく戦いを挑んでいくが、終盤68周目には、リボルバーコーナーの立ち上がりで#3 GT−Rに並ぶも、激しくサイドをヒットされてしまった。これでZENT CERUMO LC500はサイドのラテラルダクト周辺を破損してしまう。
幸いZENT CERUMO LC500の走行に支障はなかったが、#3 GT−Rをかわすことは最後までできず。終盤、タイヤ無交換作戦を採った#8 NSX−GTがポジションを下げたこともありポジションをひとつ戻したものの、8位フィニッシュという結果となった。
目標としていたポイント獲得は果たしたものの、ピットでのタイムロスがなければ5位も狙えた開幕戦。チームは反省点をふたたび洗い出し、ふたたび戦いに挑むことになる。次のレースは、チームのホームコースであり、昨年優勝を遂げた富士だ。チームはリベンジを誓い、岡山を後にした。
