そしてブリヂストン、ダンロップ勢のうち、なんとも悔しい結果となったのが2番手を走ってたSUBARU BRZ R&D SPORTだ。今回のレースを振り返るにあたり、ふれないわけにいかないだろう。BRZは今季の目標としていたストレートスピードの向上が功を奏し、決勝でも高い戦闘力を発揮していた。

 ドライブしていた山内英輝、そして渋谷真総監督によれば、BRZはスタートを務めた井口卓人から山内に交代した後から、エンジン音に変調をきたしていたという。ただ、タイムには影響はなく山内は走行を続けたが、パワーを失いマシンを止めることになってしまった。原因はまだ調査中だが、「オイルが外に出ていることは分かりましたが、なぜそうなったのかはまだ分かりません」という。

 これまでBRZは富士を最も苦手にしていたが、「タイムを見ても表彰台は狙えていただけに残念」という渋谷総監督。また、山内も「コースに復帰した後、プリウスを引き離すことができていましたし、プリウスが無交換できても表彰台はいけた。それだけに悔しいですね……」と語った。

 BRZは今季、得意のコーナリングを活かしながら、ストレートスピードを狙うべくロードラッグのエアロを装着。エンジンも「乾いたタオルを絞るように(渋谷総監督)」パワーを絞り出していた。ただ、今季BRZはトラブルがテストからかなり多い。これさえ解決すれば、数多くのファンを喜ばせることができるのだが。その質問を渋谷総監督にぶつけると、「恥ずかしながらおっしゃるとおり」という。

「当然やっている方も壊れていいと思ってやっているわけではない。このEJ20エンジンはWRC参戦時代から使っているものですが、重箱の隅を突くように開発しています。ただ、まだやれるとやってきた結果、トラブルが出ているのもあるかもしれない」

「今回の予選結果からも、ファンの皆さんもすごく喜んでくれた」という渋谷総監督。次戦はBRZが得意とする鈴鹿だ。今回の富士で得た悔しさと収穫を、ぜひぶつけて欲しいところだ。

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