さらに、昨年このタイを制したKeePer TOM’S LC500においては一度ドライタイヤに替えながら、またウエットに戻すという形になってしまった。平川亮が予選を振り返る。

「僕らはドライタイヤで硬いのを選んでいて、全然、温まらなかった。見た目にもドライで行けるかなと思って、チームとしても早めに替えたいというのもあって替えましたが、思ったよりグリップしなくて、乾いていそうなところでも全然グリップがなかった」

「もう1周ウォームアップしても変わりそうな気配がなかったので、このままでは難しいと思ってウエットに戻しました。タラレバでも、ウチが選んでいたドライタイヤは温まったかどうか、もしかしたら最後は行けたかもしれないですけど、難しかったですね」と平川。

 一方、レクサス陣営内でもドライタイヤに替えて、そのままQ1を突破したのがWedsSport ADVAN LC500とDENSO KOBELCO SARD LC500だ。DENSOの小林可夢偉が振り返る。

「周りがスリックに代えはじめていると聞いて、僕もスリックに懸けようかなと。最後は(中嶋)一貴に引っかかってコンマ3〜4秒くらいロスしたけど、アタックはできました。この路面コンディションなので、クルマの調子も一概には言えないですけど、とりあえずフィーリングは悪くないと思います」と可夢偉。

 また、NSX陣営はブリヂストン勢がすべてウエットからドライに替えて走行し、Q1を突破。ランキングトップで最重量64kgのウエイトハンデを積むRAYBRIG NSX-GTの山本尚貴がQ1で4番手に入って周囲を驚かせた。

「Q1でウエットからドライに替えるタイミングは僕の方で決めました。23号車(MOTUL GT-R)が替えたという情報は聞いていましたし、その前から、ブレーキングゾーンで意外とラインが乾いていたので、ブレーキさえ踏めるようになれば最後はドライの方が速くなると思って、早めに替える決断をしましたが、チームもきっちり準備していてくれました」と山本。

「それでも、スリックでコースインしたときはちょっと早すぎたかなと思いましたが(苦笑)、結果的に路面がドライアップするのもすごく早かったですし、スリックタイヤへの熱入れも最初の2〜3周は辛かったですが、その後はきちんとグリップしてくれた。いい判断ができて、きちんとQ2につなげることができたので、今日はいい仕事ができたと思っています」と、山本は満足そうに予選を振り返った。

 今シーズンはホンダNSXが好調で、このタイでも結果的にMOTUL MUGEN NSX-GTが初ポールを獲得して2番手はKEIHIN NSX-GTとNSXがワンツーで最前列を独占した。だが、ホンダの佐伯昌浩プロジェクトリーダーは手放しに喜んでいるわけではない。

「たぶん、Q1で敗退したクルマはほとんどがウエットタイヤだと思いますので、ウチのスリックタイヤの選択が最後の最後にタイムアップにつながってQ2に残れたと思っています。Q1が順当にドライで行われていたら、このような結果にはならなかったと思います」と佐伯リーダー。

「なんとも言えない結果で、午前中の練習走行のタイムを見ている限りではNSX勢はキツイなと。100号車(RAYBRIG)は燃料調整が入ってデータを見てもストレートが遅いですし、厳しい戦いになるなと思っていたんですけど、まさか、レクサス勢のウエイトが軽いクルマたちがウエットタイヤを選択したのが、ウチにはいい方向に来ましたね」と冷静に予選を振り返った。

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