代わった嵯峨選手はタイヤ無交換で送り出され、その時点で8番手に後退するも、ライバル車両のピットのたび順位を上げて、44周目には3番手に浮上。54周目の1コーナーで1台の先行を許すも、それ以外の後続を一切寄せつけず周回を重ねていく。
 
 次のピットは66周目。平手選手には4本ともニュータイヤというのは、あらかじめの作戦。言うなれば、平手選手が攻めて、嵯峨選手が守るということになる。84周目の1コーナーで1台をかわし、やはりライバルのピットと合わせて順位を上げ、3番手につけた99周目に、ふたたびタイヤ無交換で嵯峨選手とバトンタッチ。
 
 この時点でスタートから2時間50分を経過、ほぼ3時間となる103周目には3番手に返り咲く。じわりじわりと近づいてきた車両と110周目あたりからバトルを繰り広げるも、無理にガードを固め続けるのは懸命ではないと嵯峨選手は判断し、115周目には道を譲る。
 
 最後のドライバー交代は3時間16分経過した125周目。タイヤを4本交換して平手選手をコースに送り出す。この時点で7番手にまで退くも、134周目からはふたたび3番手に浮上。そのポジションを最後まで守り抜き、4時間40分で163周3番手での走破に#31 TOYOTA PRIUS apr GTは成功した。
 
 ボーナスポイントが付与されるレースとあって、13ポイントを加算した嵯峨選手と平手選手はランキング2位をキープし、トップとの差も6ポイントと最小限に留めることとなった。これで次戦、スポーツランドSUGOへは90kgのウエイトを積んだ状態で挑むことになるが、このコースは#31 TOYOTA PRIUS apr GTが得意とするコースのひとつ。連続入賞の期待がかかる。

嵯峨宏紀選手

「左足の痛みはかなり治まってましたが、いつもの状態ではなかった。そういうなかで平手選手がかなりフォローしてくれたので、助かりました。戦略的にうまくいきましたね。ペース的には64㎏も効いて速かったわけじゃなかったけど。僕の時に(タイヤ)無交換を2回やっているので、ピットで稼ぐことができました」

「次のSUGOは90㎏と重たくなるけど、ノーポイントということはないと思います。過去、表彰台にも乗ってるので、絶対にトップ10にはいりたいと思います」

平手晃平選手

「暑いなかでもタイヤのフィーリングが良かったので、レースに関しては淡々と走っていれば、5位以上に行けるんじゃないかってチームと話していて、作戦重視でスタッフ全員集まって知恵を出しました。最初の僕のスティントで、かなりGT3勢が来たんですけど、いちばん暑いタイミングにタイヤをいたわり走った結果、2スティント持たせることができました」

「タイヤの温度レンジも広いので、そこはブリヂストンさんの強みで、最後は路面温度が30度台まで落ちましたが、そんな時でもちゃんと発動してくれて、ピックアップも少なくて、タイヤのパフォーマンスの高さとチームワークの高さとみなさまの応援で、想定以上の結果がでたと思います。次戦もご期待ください」

金曽裕人監督

「最初からクルマが重くて速さは厳しかったので、僕らは取りこぼさず、しっかりやろうと決めていた。そのなかでの3位表彰台は快挙。まずドライバーがパーフェクトなドライビングを見せたのと、やっぱりブリヂストンのタイヤが素晴らしく安定していたこと、みんなで考えた作戦も良かった」

「素晴らしいチームワークで、全員完璧な仕事をしてくれました。次も応援くださるみなさまとともに、チーム力で、ひとつでも上位を目指します」

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