決勝日は、朝から好天に恵まれ秋晴れのレース日和となりました。サーキットには、最終戦ということもあってか、3万7千人と昨年を上回る多くのモータースポーツファンが全国から駆け付け、大いに賑わいを見せた。
前日の予選から、マシンも足回りのセットアップさらに変更し、パワー差の出やすい厳しいコースだがなんとかポディウムフィニッシュできるよう、万全の態勢で決勝に臨む。作戦は、当初の予定ではタイヤ無交換作戦決行で、ジャンプアップを狙うというものであったが、公式練習での走行でフロントタイヤの摩耗が想定以上に大きいことがわかり、フロント2輪のみ交換を行う作戦に変更する。
スタートは、中山選手が担当し、タイヤ交換前提のためスタートからプッシュし、上位進出を狙う。GT500・300ともにチャンピオンが決まる最終戦ということもあり、緊張感漂うのなか、5台の白バイ、GT-RとNSXのパトカー2台の先導によるパレードラップ、そしてフォーメーションラップを経て、14時頃にスーパーGT最終戦の火蓋が切って落とされた。
スタート直後から、ストレートスピードに勝るGT3勢のライバルにパスされてしまい、順位を落としてしまう。ストレートスピードが影響しやすいコースなので、仕方がないところもあるが、何かおかしい。チーム皆がそう感じたとき、中山選手から無線が入る。
内容は、ステアリングフィールが明らかにおかしく真っすぐ走ることもできないというもの。タイヤ内圧は特に問題なく、スローパンクなどもあまり考えられず、とりあえずは様子を見て走行してもらうことに。
しかし、症状はどんどん悪化。中山選手は、そんな車でもなんとかアタックをしてくれていたが、5ラップ目についにマシンが壊れてしまう。まったく走行できる状況ではなく、スロー走行でなんとかピットイン。すぐさま、タイヤを外しチェックをしたところ、左フロントの足回りの部品が折れてしまっていた。
修復には、かなりの時間を要するため完全に勝負権は失ってしまう。しかしチェッカーはなんとしても受けるために、チームは必死に修復を行う。メカニック達の必死の頑張りで、なんとか残り5周のタイミングでコース復帰。完走扱いとはならないものの、しっかりとチェッカーを受け、2018シーズンを終えた。
シーズンを締めくくる最終戦。予想だにしないトラブルで、不完全燃焼でレースを終えることとなった。今回破損してしまった部品も、シーズン前に新品交換し、レース前にも必ずクラックなどがないか細かいチェックをしていたところ。
原因は不明であるが、想定を大きく超えるBoP重量加算などがあり、疲労が溜まってしまっていたのかもしれない。今のGTマシンの速さはやはりすさまじいレベルであることがよくわかる結果となった。
チーム体制も変わり、開幕戦の岡山優勝で、最高のスタートダッシュを果たした2018年シーズンだったが、その後はトラブルや多くの不運もあり、歯がゆい結果の続く1年となった。しかし、多くの課題を見つけ、徐々に解決することができていて、どんどん強いチームとなっている。今シーズン悔しさをバネに来シーズンこそは、チャンピオンを獲得できるようにオフシーズンもしっかりと準備を行なっていきます。
来シーズンの参戦概要は未定ですが、決定次第ご報告をさせて頂きます。今シーズンの多くのご声援、誠にありがとうございました。引き続き、TEAM UPGARAGEの応援を宜しくお願いします。