予選7番手がトップタイムとなってしまったレクサス陣営は、まさに大不振と言えるが、レクサス陣営内に話を聞くと、ほとんどのレクサス関係者にとって、今回の結果は想定されていたのだという。2年前からレクサスLC500の開発の現場エンジニアとして担当していたau TOM’S LC500の東條力エンジニアが話す。

「全然、予想通りの結果です。前回の岡山公式テストの時も初日の総合結果はウチ(関口)雄飛が2番手でしたが、トップの12号車(同じブリヂストンタイヤのカルソニック IMPUL GT-R)とは約1秒の差でしたので。今回もレクサスのトップと12号車は1秒くらいで同じなので、テストのときのそのままの差ですよね」と東條エンジニア。

 現行マシンの初年度となった2年間の開幕戦岡山では、決勝で6台のレクサスLC500がトップ6を独占。『春のレクサス祭り』と表現されるほど、レクサス陣営はこれ以上ない好結果を残していた。わずがこの2年で、その勢力図が逆になってしまったのだろうか。

「2年前のLC500はデビュー時から完成度が高かった。その反面、その後の伸びしろが少なくなってしまったのかもしれないけど、この2年間はもう、開発を頑張ったか、頑張らなかったかの差でしょう」と東條エンジニア。

 他の多くのレクサスチーム関係者の声も同様でレクサス陣営としてすでに白旗宣言とも受け取れるが、それこそ昨年後半のニッサン勢はまさに今回のレクサスのような雰囲気だった。メーカーごとの勢力図、そしてチームごとの勢力は、わずかな違いがリザルトに大きな影響を及ぼしてしまうのかもしれない。山本尚貴のコメントが印象的だ。

「やはり今のGTは少しの変化でQ1で落ちてしまうし、上手く走れなかったりが起こる。現行のルールのなかでマシンを進化させるというのはなかなか簡単ではないと思いますし、今のGTでクルマを速く走らせる大きな要素はタイヤになります。予選で上位グリッドを獲得できてもレースで下がってしまっては意味がないですし、むしろレースでコンスタントに走れた方が最後はよい結果になる。明日の決勝もレースペースが重要になると思います」

 3メーカーのマシンの開発競争、そしてタイヤの開発とコンディションに合ったタイヤ選択、そのタイヤのパフォーマンスを引き出すセットアップ……いろいろ複雑な要素が絡むスーパーGTだが、しのぎを削る自動車メーカー3社の戦いの、まさにその厳しさを感じさせた今回のGT500の予選となった。

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