更新日: 2019.07.02 00:36
ARTA NSX GT3 2019スーパーGT第4戦タイ 決勝レポート
第4戦 チャン・インターナショナル・サーキット(タイ)
難しい条件下でも貴重なポイント獲得
決勝前のウォームアップランは、バランスとレースセットの確認を行い灼熱のなかでスタートを待った。
スタートは高木真一だ。高木は1周目順位をキープしていたが、2周目にオーバーランしてしまい4つポジションを落としてしまう。ブレーキのABSの制御システムのレベルが低く、なかなかペースが上がらないようだ。
高木はABSの効き具合が悪いなか、何とかペースを保ち周回を重ねていったが、順位を落とさずに走るのが精一杯。ハンディウエイトや高温の影響もあり、高木は我慢の走行を続ける。
33周目あたりでGT500クラスの数台が接触してしまい、セーフティカーが導入される可能性があったので、ここで急遽ピットインを行うことになった。
タイヤのコンディションが良かったので、2輪のみのタイヤ交換となったが、ピットインの時間が短かったので、福住仁嶺はクールスーツを着用せず後半戦に入っていった。福住は12番手でコースへ復帰。既にセーフティカーが導入されていて、福住はタイヤを暖めつつブレーキを冷やすことに専念した。
40周目に再スタートが切られた。福住はうまくスタートを決めて、2周後には9番手まで順位を上げる。しかし、福住は50周目あたりから暑さとドリンクが無くなったことを無線で伝えてきた。暑さと喉の乾きでドライブがだいぶ苦しいようだが、ペースを落とさずに周回を重ねる。
無線を聞いていると福住は脱水状態が出ているようだ。終盤は少しペースが落ちたものの、10位でチェッカーを受け、貴重なポイントを獲得した。
土屋圭市アドバイザーのコメント
「57kgのウェイトとBOPでポイントを獲得できると思っていなかったので上出来だね。仁嶺もクールスーツを着ないで、ドリンクも無くなったのに良く頑張った。次は大量得点を狙いたいね」
一瀬俊浩エンジニアのコメント
「昨日からバランスは良かったので、タイヤを持たせるような方向で考えていました。しかし、温度が上がったことでレースラップのペースが想定していたより上がりませんでした。ウォームアップでそれを感じていたので、どうやって少しでも順位を上げるか考えていましたが、想定通りタイヤの持ちが良かったので2輪交換で何とか仁嶺を送り出すことができました。作戦的には機能して何とかポイントを獲得できました」
高木真一選手のコメント
「今回、レースでのクルマのポテンシャルはあまり高くないと感じていたので、1点でも多くポイントを獲れるように頑張りました。燃料が軽くなればバランスはとても良くなるのがわかっていたので、そこまで我慢しながら走るようにしました。ボクが多めに走ることで、仁嶺も軽い燃料で後半戦を戦えると思ったのですが、セーフティカーが良いタイミングで入ってくれました」
「現状、ハンディウエイトやBOPのことを考えると、ポイントを獲れて良いレースができたんじゃないかと思います。これもチームとブリヂストンタイヤのおかげだと思います。タイヤの持ちも良かったので、2輪交換でピットストップ時間も短縮できました。次回もポイントを獲得できるように頑張ります」
福住仁嶺選手のコメント
「2輪交換でクールスーツなしで後半戦を走ることになりました。残り25周くらいだったので、大丈夫かと思いましたが、非常に辛かったです。後ろ2輪交換だったのですが、さほどバランスも悪くなくて、ペースも落とすことなく安定して走ることができました」
「しかし、BOPでブーストが落とされて、ストレートがのびず、コーナーの出口でスピードが乗らず、さらに次のストレートにも影響が出るので、終盤タイヤが辛くなってきたときに後ろを抑えるのが大変でした。そんな状況でもポイントを獲れたので良い仕事ができたんじゃないかと思います」