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スーパーGT ニュース

投稿日: 2019.08.02 19:44
更新日: 2019.08.02 19:59

3メーカーで分かれた2基目エンジンの投入タイミング。富士500マイル戦はサバイバルの予感【スーパーGT第5戦プレビュー】

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スーパーGT | 3メーカーで分かれた2基目エンジンの投入タイミング。富士500マイル戦はサバイバルの予感【スーパーGT第5戦プレビュー】

「(すでにシーズン2基目のエンジンを投入している)36号車以外には『ローテーション2』と呼んでいるエンジンを今回投入しています。前半戦を見ていてもお分かりかもしれませんが、とにかく不具合を出さないように、不具合さえ出さなければ今のLC500は調子がいいので、まずは徹底的に不具合を出さないようなエンジンを開発してきました。1基目の不具合の原因も掴めましたので、性能向上よりも信頼性に振ったエンジンというところです」と岡見エンジニア。前半戦の不安が解消され信頼性が確保されれば、鬼に金棒となるが、果たして今回の富士で盤石の結果を残せるか。

 一方、意外だったのがニッサン陣営。今回の富士では開幕からの1基目のエンジンを継続使用する判断を下した。富士はGT-Rにとって得意なサーキットで、性能向上した2基目のエンジンを投入すれば大きなチャンスとなるはずだが……MOTUL AUTECH GT-R、ニスモの監督であり、GT-R車両開発責任者でもある鈴木豊氏に聞いた。

「そういう気持ちがあるのは山々なんですけど(苦笑)、1基目のエンジンのマイレージもまだ大丈夫というのもありますし、きちんと性能効果が確認できたエンジンを開発して、残りの3戦に向けて投入したいと思います」と鈴木豊氏。

 この得意の富士で2基目を投入したい気持ちもあったようだが、まずは確実に性能向上したエンジンで後半を戦うという狙いのようだ。もちろん、2基目の投入を遅らせたからと言って、今回の富士戦を諦めたわけではない。

「今週末は現在のエンジンをきちんと使い切って、(好調のレクサスと)最終戦で同じ土俵に上がれるように、そのためにも他のGT-Rたちと一緒に表彰台を獲得していかないと厳しいと思っています」と鈴木豊氏。ウエイトハンデの面からも、カルソニック IMPUL GT-R(WH12kg)やリアライズコーポレーション ADVAN GT-R(WH28kg)、そしてCRAFTSPORTS MOTUL GT-R(WH32kg)は2基目のエンジンの恩恵がなくても軽さの面から勝機が見えるという判断か。いずれにしても、この第5戦で3メーカーの決断が分かれたのは興味深い。ライバルメーカーのエンジニアからもニッサンの選択に驚いたとの声を聞いた。

 今週末の富士のコンディションは終日晴れの予報ながら、搬入日にも通り雨が来たように、夏ならではの夕立の可能性もあるという。暑さと500マイルという長距離、そして昨年のレース内容からも、サバイバル戦となることは必至で、予選順位はあまり当てにならない可能性が高い。チェッカーを受ける最後まで、多くのチームにチャンスが残される展開になるだろう。

 さらに、今週末の富士にはDTMの代表でもあるゲルハルト・ベルガー氏が来日して11月に予定されているスーパーGTとDTMの交流戦についての発表も行われる予定で、GT300についてもアナウンスがあるとのことでスーパーGTファンとしては目の離せない週末となりそうだ。

スーパーGT第5戦富士金曜搬入日
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