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スーパーGT ニュース

投稿日: 2019.12.25 19:20

映像演出でファンの熱狂をアシスト。番組プロデューサーが明かすレース中継の狙い【サーキットのお仕事紹介】

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スーパーGT | 映像演出でファンの熱狂をアシスト。番組プロデューサーが明かすレース中継の狙い【サーキットのお仕事紹介】

 三原プロデューサー曰く、J SPORTSのモータースポーツカテゴリを引き継いだ当初、スーパーGTと全日本スーパーフォーミュラ選手権は決勝レースのみの放送で、DTMドイツ・ツーリングカー選手権と全日本F3選手権は録画放送だったそうだ。

 現在は多くのレースカテゴリーとセッションが放送されているが、どのような経緯でこの放送スタイルにたどりついたのだろうか。

「僕が担当になりディレクターを10年程経験していたので、『これもできるな』とアイデアが出ました。しかしそれを実行するには、これをするとファンが増えるからお金をかけようとか、人員を増やそうという社内提案をクリアしないといけません」

「スーパーGTは予選も撮っているんだから生中継をしよう、今はオンデマンドもあるからフリー走行もやろう、ほかにもトークショーをやろうと少しずつ積み上げてきました。今ではWECやフォーミュラE、いつの間にか24時間レースを5つやるようになっています」

「少なくとも毎年ひとつは新しいことをやろうというテーマでやっているので、IGTCとIMSAもあるから、そろそろそっちも放送しようと思います」

 ひとつのセッション放送を増やすためには、それに見合う利益を上げることも重要だが、三原プロデューサーの案が実現すれば、今後もコンテンツは増えていくだろう。

生中継に必要な衛星車
生中継に必要な衛星車

 そんな三原プロデューサーは、長年J SPORTSで仕事をしてきたなかで「番組を作っている以上は人気が出てほしいと思っているけど、なかなか変動しないのが難しいです。スーパーGTはすごくいいレベルかもしれませんが、F1に比べたらまだまだです」と苦労を明かしてくれた。

「F1ですら人気が落ちてきて、ホンダの活躍で戻ってきているとは思うけど、もっといいものを作るにはお金もいるし人気が必要です。だけど、その循環にもっていくのは大変ですね。それは1カ月や1年ではなにもできないし長い目で考えないといけません」

「スーパーGTはかなりいいところにきて、今は僕らの映像も恥ずかしくないレベルにきたから、次海外に売るときにドローンを導入しようとかオンボードライブやろうとか、レベルの高い悩みができています。でも他のレースだとそこまで予算はかけられないし、まだそのレベルではありません」

「インタープロトとかF3は、3~4台のカメラで撮ってあとで編集します。カメラを3台追加したら生中継できるけど、そのためにはあと500万円程度かかるし、それぞれのレベルで課題があります」

 逆に嬉しかったことは「テレビを制作している側でいえば、狙った演出や、してきたことが実を結ぶときです」と述べた。

「WECのル・マン24時間レースは、毎年トヨタが勝つストーリーを作り番組を制作したけど、ずっと一緒に悔しい思いをしていたから、勝った時は嬉しかったです」

「ほかには、2018年のスーパーGT最終戦で、使うかわからないけどランキングトップ2台のピット真上にカメラを置いたんです。ピットインした時にしか使えないけど、たまたま2台同時にピットインしたので、両方映せました。2台同時じゃなかったらあのシーンは使わなかったけど、いい演出になりました。あのカットがあったから熱くなった部分もあるし、演出がハマると気持ちいいし嬉しいです」

■テレビスタッフに求められる能力


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